saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

アニメの夜

空近くあまりまばゆき初日哉
正岡子規、、、香川照之氏のイメージが定着しちゃって。


2011年元旦、「アニメの夜電子書籍化、、。って別に特別な思いがあって元旦にアップしたんじゃなくて、時間の関係で、こーなったゆーだけの話なのだ。
発表時期としてはホントは神戸ルミナリエが始まる時期に合わせたかったんだけどね。
アニメの夜」の冒頭に登場する鎮魂祭は神戸ルミナリエを下敷きにしてるし、地球に来襲して厄災をもたらす「連鎖夢」は神戸淡路大震災をイメージしてるから。でそれに対抗する「鋼鉄人」は、鉄人28号だし。
神戸市・長田区に震災復興・地域活性化のシンボルとして登場した長田を見守る鉄人28号像は有名だけど、アイデア的には「アニメの夜」の方がずーっと先です(笑)。
 ただ鉄人28号が大震災に対抗するのは故・横山光輝氏が青春時代をすごした場所が長田だったから、みたいなこじつけ話じゃなくて、巨大で人間が作り出す最強のパワーを持つ28号自体には意志がなく、それを操る一人の少年の意志がポイントになってるとゆー構図を大切にしたかったわけです。復興にかけた一人一人の思いとゆーのかそういうイメージです。
 まっこんな風に書くと「アニメの夜」がすごく真面目な作品に見えますが、内容は凄くエロチックでフェテッシュです。

実際の「鉄人28号」の設定でも、太平洋戦争末期、大日本帝国陸軍が起死回生の秘密兵器として開発していた巨大ロボットが「鉄人28号」ってわけで、原作自体、そんなに綺麗でスマートなもののじゃないんですよね。
プラス、鉄人を操る金田正太郎君なんですが、驚くことに彼「少年探偵」なんですねー。
快活で、機敏な行動力と大人顔負けの推理力と発想で事件を解決するのはいんだけど、自動車を運転したり、挙げ句の果てには拳銃を撃ったりジェット戦闘機・ヘリコプターまで操縦しちゃったりします(笑)。
洋風の円形をした邸宅に一人で生活。普段はブレザーと半ズボン、そしてネクタイ!。初期の愛車はオープンカー「ディスコ・ボランテ」!
こーゆーのを見ると、「アニメの夜」の金田がニューハーフでも全然ふつーって感じです。
で「アニメの夜」の表の主人公が金田だとすると裏の主人公は「鉄腕アトム」のウランちゃん(笑)。ってかウラン姉さんですね。
鋼鉄人を発明した天才科学者のくせに裏では秘密SMクラブで女王様やってるとゆーハイパー腐女子です。
この彼女の登場から「アニメの夜」では話の展開が、横山光輝ワールドから手塚治虫ワールドへシフトしていきます。

手塚治虫氏のエロチシズム論については書いていくと切りがないので、ここでは昔書いた一文を再掲しておきます。


 猿田彦の醜い鼻を吸う、。。

 chikaは少女漫画も少年漫画も青年・成人コミックの類も駄目な人である。時々、この人って凄く才能ある?って惚れ込む時もあるけれど、基本的に堪え性がないから連載の形になるものは苦手なのだ。

 でも最近じゃ漫画が文庫本化されてるから「まとめ読み」が出来るのが嬉しい。

 そんなこんなで待合室に置かれてあった「火の鳥」を手にした。chikaのこっち系の仕事仲間で「火の鳥」を全巻揃えるような娘はいないから、これは男性陣の趣味なんだろう。
 手塚治虫氏の作品の中には、氏の曖昧なジェンダー描写が醸し出す極めてエロチックな要素がある事を何人もの人々が指摘してる。例えば治虫氏の名サブキャラである変装名人のロックの見事過ぎる女装など、、。

「アトム」や「リボンの騎士」という子ども向きのメジャーな作品でもそうだし、勿論性転換の為の人工皮膚を扱った「地球を呑む」などに至ってはその傾向は極めつけだ。

 氏のライフワークであった「火の鳥」にもその傾向が見られる。黎明編では、蜂に刺されて醜く膨れ上がった猿田彦の鼻をナギ少年が、船の中でずっと嘗めてやる描写があって凄くドキドキさせられる。
 「このまま、ずっとこうしていてあげるよ。」と言いながら、小柄で女性的な美少年であるナギ少年が巨漢の猿田彦に覆い被さって眠るのだからたまらない、、。
 己の醜さ故に、女性と縁のなかった猿田彦と、男性故にその猿田彦を拒否しなかったナギ少年。
 しかしこのナギ少年は性的に見てまだ未分化であり、その外見からはむしろ男装の少女を連想させられる存在だ。
 さらに猿田彦の巨大な鼻はどう見ても男性器の隠喩である。大海原をたった一隻の小舟で流されてゆく醜い大男と性愛をまだ慕情の現れだと思っている少年という名の少女。
 ・・まあこれぐらいの分析など誰でも出来る。
 実際に漫画を読んで読者が感じるのは、おそらくそちらのチャンネルなのだろうから。


 改めて驚かされるのは手塚治虫氏が、そのようなシーンをこれほどにメジャーな作品群の中に、すんなりとはめ込んで来たという事実である。
 「MW」などの成人向け漫画の領域では、この一種の「性の変容」テーマはビジュアルとして何度も露骨に登場する。この前のエントリーで上げた病院の待合室で手塚治虫氏の「刑事もどき」を読む機会があった。
 ちょっと知○足りずとも思えるタフガイ段袋刑事(「地球を呑む」の主人公関五本松とよく雰囲気が似ている)と元サギ師・大枚田助五郎(何となく女性の匂いのするキャラ)のコンビの謎解き物語なのだけれど、これもモロ。
 短編「エムレット」では『真夏の夜の夢』に使われる女性の肉襦袢を男性が身につけての目眩ましシーンが大きなコマでどーんと登場するし、動物の被り物を無理矢理相手に被せての偽溺死etc、手塚フェチマインドが全開だった。
 氏がもう少し生きていれば、こーゆー時代なのだから氏自身が秘めたものを堂々と解き放った成人漫画を描いていた可能性もあったのに残念なことだ。
ちなみに手塚治虫氏は宝塚歌劇ファンだったそうだ。

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