saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

「違う日本人」なのかも知れないし

坂の上の雲」の感想は書かないって宣言したんだけど第2部の「子規、逝く」が余りにも切ないのでちらっと雑感を。
 それに昨今の政治家さん達が自分たちの事をなぞらえて、幕末やこの時代の偉人達を引き合いに出す風潮にも苛立たしい部分があるので、そのあたりも含めて、少しプププのぷぅしてたり。
 正岡子規を演じる香川照之さんの良さや、本木君が龍馬だったら、みたいな事は前にも書いたんだけど、やっぱこの回を見て、その思いは深まるばかり。
 真之とノボさんがお互いの坊主頭を何故回しながらの愁嘆場なんか見てると、お互いの「存在」とか「生」を、この二人がいかにダイレクトに感じ合っていたのか凄く伝わってくる。
 こんな「濃厚さ」って現在の人間関係にはあるんだろうか?って思うことがあります。少なくとも映像シーンとしては、現在の日本の映像表現ではあまり見られない濃度を持ったシーンだったと思います。
 今の映像表現って、逆に「言葉による感情表出(演出)」が過剰な程、氾濫しているように思えるんですが、、。そういう意味でもこの「子規、逝く」の回は、出色の出来だったように思います。
 よく政治批評家達は「今の政治家の言葉は軽い」と言うんですが、じゃ「重い言葉」ってなんだ?って疑問があるんだけど、多分、この時代に生きて「何かをやり遂げた」人物達が発するようなものなのかも知れませんね。
 ただ、だからと言って「幕末から明治にかけての偉人は凄かった」みたいな事を、言い募ったからって、なんの意味があるんだろうとも思います。
 時代状況も違えばメンタリティだって違う、「同じ日本人」というかも知れないけど、この時代の人たちって、正確に言えば「違う日本人」なのかも知れないし。
 少し話は、ずれるけど松井秀喜選手のアスレチックス入りを、マスゴミが、又また騒ぎ立ててましたけど、chikaなんかは「もーいんじゃないか」って冷えた気持ちがあって、、「同じ日本人」にもそれと同じような感覚がある。
 松井秀喜だって自分が峠を越えたって事は充分自覚してるだろうし、それを実際の価値以上に過剰に騒ぎ立てられてもなぁって感じじゃないのかなぁ?ただ、幕末や明治の偉人達は、本音を語る口がもうないんだけどね(笑)。
 律の菅野美穂ちゃんも良かったです。
 「坂の上の雲」では美穂ちゃん、意外と淡々と演技してたから、これなら別に菅野美穂でなくても、もっと話題性のある若手女優さんを配置しても良かったんじゃないかって思ってたんだけど、「子規、逝く」のエピソードでは、律として過不足なくちゃんと収まってました。律に「過不足なくちゃんと収まる」って実は凄い事なんじゃないかって思うんですよ。
 あと児玉源太郎と乃木稀典が実に「仲良し」に演出されてましたね。
 この「坂の上の雲」って、かなり原作を忠実に再現してる気がするんだけど、「子規、逝く」で描かれた児玉源太郎と乃木稀典の二人の仲は、後々、203高地を描くときにちょっと引きずるんじゃないかって思いました。
 まあ原作でも児玉源太郎は乃木稀典を立ててるんですが、児玉源太郎自体は、この戦いに自分の国の興亡をかけてた人ですからね。
 司馬大先生の原作ではそこんとこ、とことん書いてましたから、、。

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