saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

やっぱ作劇って面白い

別に無理矢理、「仮面ライダーフォーゼ」と「平清盛」を、ワンセットで論じようとする訳じゃないないいんだけど、この二つ、奇妙にシンクロするので面白い。
まずは「平清盛」から、今回はかなり見応えがありました。
理由は簡単で「ドロドロ宮廷パート」が長かったから(笑)、それに松田翔太の雅仁親王もこの宮廷パートにかなりの触媒的効果を果たしたみたいだし。
でも清盛が目の前で繰り広げられた愛憎劇の感想を述べた時点で、いつもの「平清盛」コミックへ一気に逆戻り。
うーん、これは一体なんだろう?脚本書いてる人の資質が「宮廷パート」だけに向いてるとしか思えないんですけど。
後半、雅仁親王と清盛のすごろく対決の場面も結構面白いんだけど、これもどちらか言うと「宮廷パート」の肌触りの面白さで、たったの数分前に清盛が「あんたの笑い声は腹を減らした赤子の泣き声じゃ」と言い放ってた清盛優勢時の空気感と全然違うのね。この落差感って演出のせいなのか、それとも脚本なのか、、不思議。
やっぱ脚本の統一感のなさが影響してるんだろうな。
例えば今回の佐藤義清なんか、バイセクシャル通り越して、もう「恋愛依存症」としか思えないぶっとびぶりで、現実味がないし。
結局、脚本の方が、登場人物同士を綿密につなぎ合わせる方法を知らないってか、「宮廷パート」みたいな、あるフィールドだけが得意で、それに他のパートをつなげると一気に破綻しちゃうというのか、、そんな感じ。
要するに一枚の絵を描くときは中心があるって事なんだけど、それを欲張って画面のはじっこを見られた時も相手を唸らせてやろうみたいな色気がかえって中心を色あせさせてるって感じか。
でフォーゼの方なんだけど、こっちはこっちで吃驚した。
完全にアメリカ学園映画のりになってて、しかも仕事としてはかなり上手い。というか三条さん、本心ではもう仮面ライダーの脚本を書いてやろうなんて気持ちは、もうとうなくてアメリカ学園映画のりでいっちょ遊んでやろうみたいな感じさえする。
未だにフォーゼが仮面ライダー物だって思ってる頭には「こんなモテキの仮面ライダーありえねー」って事なんだろうけど、学園物で仮面ライダーをパロディしてるなら実に遊び上手な脚本!
まっ言ってみれば全編、「平清盛」の「宮廷パート」ですな。

よく井上脚本の時に、「作品の出来を左右するのは実際は脚本じゃなくて」みたいな話があったんだけど、長くライダーシリーズとか見てると、やっぱり脚本の果たす割合って凄く大きいと思う。
例えばこの日曜の朝はたまたま夜の延長で特命戦隊ゴーバスターズを見たんだけど、これはどっからどうみても小林脚本色。
勿論、ビジュアルが戦隊物には珍しくリアル路線で(ライダーが戦隊みたいな感じになってるからなのか)前シリーズと肌合いが随分違う部分も大きいんだけど、それを上回って、人間関係に漂ってる空気感は、やっぱ小林脚本の肌触り。
今回のフォーゼも三条色で、中島かずきが、この話を同じ設定で書いてもこんな感じにはならないだろうと思うと、うーん、やっぱり作劇って面白いナーと。

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