呪禁捜査官 訓練生ギア

　牧野修の書く物はみんな好きなのでこれもchikaのメインサイトであるＳＭｆの書評コーナーに上げようと思ったんだけど止めておいた。ヤングアダルト系をＳＭｆで取り扱っても仕方がないからだ。『呪禁捜査官　訓練生ギア』、この本はまっとうに面白い。
　というかこういう正当な少年少女向け読み物を牧野修が書ける事自体に少し感動さえ覚えているchikaなのだ。
　第一、牧野修の小説って起承転結みたいな物語構成よりも想像世界のディテール描写が総てみたいな部分があるし、実際、氏の作品でストーリーテーリングで感心した覚えは一度もない。
　勿論、そんな牧野小説だからいくら破綻のないオーソドックスな展開をして見せたかたって、牧野色（どこの世界に敵キャラボスが男娼上がりだという設定があるだろうか）は抜けきれるわけもないし、氏が描き出す少年達のやりとりも歯が浮いちゃってそんな奴らいないよって感じだけど、牧野修がこんな世界を照れもせず書けるって言うこと自体が驚異なのだ。
　ホントこれからが楽しみ、、もっと本格的な変態SF小説の書き手になってくれるような予感がしてきた。