「富豪刑事」と「相棒」。

「富豪刑事」と「相棒」。並べること自体がナァーンセンスなんだけど、敢えて「どっちが面白い？」って言われれば「相棒」かな。
深キョン主演の偽トロ子ちゃん富豪刑事ってまだまだお洒落で面白くなる筈なのに、番組作り自体が妙に低い水準で満足しちゃってるようで、、ブレイクしないよなコレじゃ。
その点「相棒」って一見地味そうだけど番組作りとしては好き放題やってますよ。「右京と薫」というキャラ設定が色々な物語のパターンを吸収できるだけの幅を持ってるのが強みなんでしょうね。
第14話の「薔薇と口紅」なんて、半分タカラヅカの世界だから熱血刑事の薫だけだとまったくそぐわないのに、一見、教授風の右京がセークスピアの台詞を犯人とのやりとりに織り交ぜたりして、もうはまりまくり。
脚本は若手の岩下悠子さんという作家の手になるものらしいけれど、ここまで洒落のめした作品って普通の一時間ドラマに突っ込んだらとても恥ずかしくて見てられないものになったと思うんだけど「はぁい？」の台詞回しが妙に板に付いてきた水谷豊・右京だとなんとかなっちゃうのが不思議。
それにカメラワークな。橋本一って人が監督らしいんだけど名門女子高内での人物の配置だとか背景・色使い遊び心満載って感じで心地いいし。
その辺「富豪刑事」も時々、ちらちらっと小細工仕掛けるんだけど、こちらは態とらしくて「もーいいんじゃない」って思わせて終わってしまう所がなんだか力のなさを感じさせる由縁。
「奇をてらう」ってのは実力がないと成功しないんだよね。