真田丸 第6回 「迷走」
毎回、安定の面白さを誇る「真田丸」なので、今日は全体の感想というより、このドラマに登場する二人のヒロインについてちょっと感じたことを書いておきます。
三谷さんが喜劇を好むのは、そこに「これが人間だよ」って言いたい部分がうまく現れるからだと思うんです。
ならば当然、三谷さんの女性観もそのドラマの軽妙洒脱なやり取りの中に現れるんだろうと。
とってもゲスな展開なんですが、三谷さんが小林聡美さんと結婚してて、後に離婚したことは有名ですよね。
それでそのあと19歳年下の女性と再婚。いえそのこと自体はどうでもいいんです。
ただ、そんな三谷さんの女性観が「真田丸」ってゆうドラマのヒロインたちにどう反映されてるかが、凄く興味あるんですよね(笑)。
お姉さんの松を自分の力不足のせいで亡くしたと思い込み、メチャメチャ落ち込んでる源次郎に対して、二人のヒロインがどう対応するのか。この対比が、三谷さんの女性観がわかる部分だと。
「あんたのせいじゃないって言わせたいんでしょ」と、好意と評価は別とばかりに、源次郎にキツいツッコミを見せるきり、でも源次郎はそんなに凹んでないんですね。
「あー言われちゃったよ、俺」みたいな。きりは色恋の本命じゃないし友達みたいなものだから。
でも本命の梅に対するアプローチは、本音攻めというのか、男としてはなかなか口に出来ないことを懺悔ぽく言っちゃうわけですね。
で梅の方は、きりとは違う賢さがあるから、源次郎が何を言ってもらいたいかを鋭く察知して、時差攻撃まで混ぜ込んでドキューンと源次郎を射抜ちゃうわけです。「やっぱこの女癒されるぅ」ってわけです。
でもドラマとしては、本筋、きりがメインヒロインなんですよね。
・・やっぱりきりなんだ、、。このあたりの構成がね、いろいろと考えさせれてしまうんですよ(笑)。
ところで梅を演じる黒木華ちゃん、初めて見る顔だなぁ「若手の実力派女優さん」ってナンとかの竹の子みたいにドンドン出てくるんだって意地悪な事、考えてたら彼女、chikaがお気に入りにしてた『舟を編む』に出演してて、chikaがそれを忘れてるだけでした。
しかも端役じなく、主人公の馬締光也の部下として辞書の編集に携わる現代的女性?な岸辺みどりを演じてたんです。
黒木華の、「はぁ?」とか「NGなんで」とか「15年も何やってたんですか!?」とか、いかにも今風の口調がね、うまかったんですよ。
それで最後あたりになると編集者魂に目覚めて変わっていく姿をね、ストンと自然に演じてたのが彼女だったんです。
こうして見ると「真田丸」って役者さんたちも、揃えてるんですね。
今回の高嶋政伸さんの北条氏政!あれってもう何なんでしょうね(笑)。顔芸の域を超えつつある。
うま過ぎて狂ってるみたいな。
しかも今回、ちらっとお披露目になった「秀吉」は、小日向文世さんですよ。
濃いなぁ~これからどうなっちゃうんでしょうか?真田丸。
怖いような楽しみなような。
PS 松が敵方に追い詰められて琵琶湖に身を投げるまでのシーンというかカット割りというか演出って、ホント、「昭和」でしたね。
すっごく懐かしい。でもあれオシャレ感覚でワザとやってるんですよね。
ってか、chikaが子ども時代に昔のチャンバラ映画をTVの再放送で見てたのを思い出してそう感じてるわけだから、そういうのさえ見たことのない世代があれ見たらどんな風に感じてるんだろうって(笑)。