真田丸 第38回 「昌幸」
三谷脚本が派手に仕掛けておいた、治部の清正に対する謎の伝言の正体が、ついに明らかに!!って、結果は極めて普通でしたが、三谷さんは視聴者が思う「三谷ならきっと凝った答えを用意しているに違いない」という裏の裏をかいたんでしょうか(笑)。
ってか今回のエピソードを見てるとアレは、謎を解いた時の面白みの為の伏線というより、秀頼デビューに花を添える為の仕掛けだったんですね。
「どーだ。秀頼は、治部や清正達、豊臣家臣の思いに支えられて、こんなに立派に育ったんだゾー」みたいな。
でもそれが余り効き目がなかったのは、三谷脚本が、どんなエピソードでも登場した人物に全て焦点を当てるって方法をとって来たからなんですね。
これがズーッと豊臣オンリーでやって来たなら、視聴者も「おー周りの苦労があって、ようやく秀頼モナー」って感じなんだろうけど、ってか真田丸の主人公は、真田一家だったね(笑)。
それになんと言っても今回の主役は昌幸パパ。
死の間際に信玄公の幻が、、って演出は既視感があったけど、看取ってる周りの人間に大仰な感情演技を求めず、絞った感じの演出にしたのは良かったです。
最後の最後に昌幸パパが目を見開いて虚空を掴むシーンは、「よっ!大根役者!(失礼)」と思わず声を掛けてしまいそうな草刈正雄さんの演技でしたが、それが昌幸パパにはピッタリ、ハッタリ!あのバタ臭い感じがタマラン。
そうそう、今回は歴史に対する三谷流解釈が色々施された回でもありました。
昌幸パパの意向を汲んで、信之が捨てた「幸」の字を信繁に持ってきた「真田幸村」という創作歴史トリビアとか、秀頼が凡庸な二代目ではなく家康に臆せず堂々と相対したいうのが裏目に出て、本質的に臆病な徳川が秀頼を滅ぼす気持ちを固めたとかね。
さすがに色々考えてるわ。
でもそんな中で、あっチュー間に、二代目服部半蔵が清正を暗殺するなんてコントまがいの事を同時進行でブチコンで来るから、視聴者は混乱しちゃうんだよね(笑)。