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ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

真田丸 第25回 「別離」

 毎回、色々な趣向を凝らす三谷脚本だけど、どうやらジメーッとしたサイコぽいミステリー推理サスペンスだけは苦手みたい。

 時系列の切り貼り手法も、そんなに効果があるとも思わなかったし。・・真正面から書いても、秀吉の闇とかは上手く描ける人なのにね。
 利休の設定に懲り過ぎた部分が影響してるんだろうと思う。

 利休の設定自体がユニークだった分、利休の切腹に至るまでの味付けとか、盛り込みがちょっと粗くなったって感じ。

 信繁の問いかけに答えるという形にはしてあるものの、利休自体が、自分語りをするとか、珍しく「説明的」な部分が多かった。
 それでも新たな利休像をここまでもって来れたのは立派なもんだけどね。

 でも今回の展開は、三成と大谷吉継による謀略と、利休切腹、どちらに重きがあったんだろう?

 まあ三谷脚本の場合は多くのイベントを同時進行させた上でも観客に混乱を起こさせず、全体として一つのまとまった感慨を感じさせるっていう力を持っているのは判るんだけど、その点でも今回のはなんだか消化不足のような気がする。
 今回、「稲姫コチョコチョどうでしょう」も「薬草コント」も、かなり浮いてた感じがするからなー、もうちょっと利休に時間が回せなかったのか?と。
 単純に、演技面で不安のある桂文枝師匠を長時間、画面に露出させたくなかったので、利休の描写時間ってか蓄積がすくなかったって面もあるのかな?と邪推してみる(笑)。

 って事で今回の出来は、まあまあかなぁと思ったんだけど、最後の最後で、寧々の胸で慟哭する竹内結子演技でやられちゃいましたね。
 「茶々、あれ、絶対泣くよ。そんなの定番じゃん」と、来る来ると思っていたドッカーンが、思ってた以上にペラペラじゃなく、ホンマもんだったので吃驚しました。竹内結子、「生」、過ぎる。
 あの演技が、それを観る者から引き出した反応は、ドラマに良くある「ハンカチ用意して」用の涙じゃなかった。
 まあ、そんなに大量に涙でたってわけじゃないんだけどね(笑)。
 もしかして、視聴者が「泣いてやろう」と思う涙は、大量に出るけど、こういうドラマで生の感情をプッって刺されると、意外に「マジ涙」って少ししか出ないのかも知れない。
 普通なら、跡取りをなくした秀吉の天下はもう短いと一端納めた野望を再びたぎらせる家康と昌幸と、彼らが見せる上辺の顔が、面白さのメインだと言えそうな回なのに、今回はそれも霞んでたな。
 三谷脚本の計算より、竹内結子の顔クチャクチャ啼泣が勝ってたって事かしら。

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