真田丸 第9回 「駆引」
三谷さん「真田丸」の脚本書いてる時は、真田昌幸のマインドセットが乗り移ってるんじゃないか?と思うことがありますね。
絶対に「相手の意向・期待通り」に事を運ばず、奸計をもって自らの思うところを成す(笑)。
普通のドラマ展開なら視聴者が「プチ感動して終わり」の場面を必ず「笑い」を取りに行って、それをはぐらかす。
「私の書いた話では、こんな場面で納得して貰っちゃ困るんだけど。だからさ、こっちを見てよ、本当に面白いのはこっちの方なんだから」みたいな。
笑いで落として「真面目さ」を吹き飛ばしちゃうマストアイテムは、「真田丸」においてはどうも女性陣みたいですね。
今回のエピソードでは女性陣絡みの仕掛けで、2・3回吹きました。
信幸の病弱な妻で「(信幸の)今、俺、良いこと言った。」を混ぜ返し、とりの膝枕で昌幸のせこい陰謀をはじき飛ばしながらも熟年夫婦の疲れた関係を描写し、折角、梅ちゃんとの会話で「戦と策略」の本質を掴んだと思った源次郎に「そんなの当たり前ジャン」と冷や水をかける、きり。
特に、きりのまんじゅう爆弾の二段仕込み演出には笑いました。
真田昌幸の信濃独立国構想を軸に、話をアゲては落とす、そのジェットコースターの先は、「徳川と北条が手を握った!!」これで決まりですね。
高嶋政伸・氏政と内野聖陽・家康が、渡り廊下で邂逅していきなり破顔握手して、ウハウハハハとお互いの顔を撫でるというか擦り合うあのシーン、NHK大河のベスト映像シーンがあるなら間違いなくに「特別賞」受賞です。