「破門」 第7話
本当に楽しませて貰ってる「破門」も最終回まで後、1話。
桑原・二宮の疫病神コンビも、映画の出資金を持ち逃げした小清水を追って、地元大阪から東京へ。
・・って二宮を演じる濱田岳君って東京都出身だから、東京に馴染まない生粋の大阪人・二宮の姿は、これまた大阪人のchikaから見るとなんともくすぐったい(笑)。
特に、SMラブホ?に逃げ込んだ小清水の部屋に押し入るために、給仕のボーイを装えと桑原に命令されるも、ボーイの完璧な標準語を直前に聞いてしまった二宮が、「アカン、あきませんわ、ようしませんわ」と匙を投げるシーンとかは絶妙。
でも、第1話目には、濱田岳君の大阪弁を心配してたワケだから、それ考えると、やっぱり俳優さんって凄いなぁと思います。
凄いと言えば桑原演じる北村一輝さん。
どんな役でも出来るけれど、同じカメレオン俳優でも、これだけ幅の広い「ヤクザもん」を演じれる人って少ないんじゃないかなぁ。
ヤクザでも剽軽さ・神経質さ・剛胆さ・異端さetcと種類ってか、人間なんだから、それぞれ違いがあるじゃないですか。
出演作品によって、その「差」を出せる人ですよね。
ってかそれだけソレ系の役所を多くこなして来たとも言えるし、(chikaもその「顔」した北村一輝さんばっかり見てきたんだけど)その中でも、この桑原保彦役って凄く「熟してる」感じ。
って事で、その桑原が押し入ったラブホの中で小清水を締め上げて、消えた金のありかを聞き出すシーンも、よくあるっちゃよくあるシーンなんだけど、北村一輝さんがそれをやると、怖い・残酷以外に、なんか見てる方がドキドキしちゃうんだよね。
割り箸で小清水の肛門をブスーッ!って刺してみたり。ホントにパンツに血が滲み出してるカットがあってリアル(笑)。で、それやってから、鼻を刺す脅しパターンと、目の玉を刺す脅しパターンとかの連続。
その時、小清水が「刺すって右目ですか?左目ですか?」と必死のボケを噛まして、桑原が「両方じゃぃ」の恐怖のツッコミ!
小清水、演じる木下ほうかさんも良いですよ。
ホントはchikaって木下ほうかさんが苦手なんだけど(氏との出会いは仮面ライダーキバ、笑)やっぱ演技がうまいわ。
この人も大阪出身で、大阪弁の柔らかい部分とかしぶとい部分を良く知ってるし、それを小清水という男に上手く乗せてる。
だから下手なドラマだと、小清水が単純に「主人公コンビに追われる悪い奴」という単純なキャラ立てになって終わる所を、ちゃんと裏社会を生きる男達の一員として成立させてるから、それがこの「破門」というドラマ世界に深みを与えてる。(勿論、そういう幅にしようとドラマを組み立てた制作サイドも偉いけど。)
でこの小清水がどこまでもしぶとくて、ヤクザ連中につかまってボコられようが、桑原にお尻の穴刺されようが(笑)かすめ取った金だけはなんとか守ろうと色々、知恵を絞るんですね。
結局、二宮も小清水の窮地の策略に填められて、折角、奪い返した金を銀行から下ろす寸前に犯罪者扱いされてその場から逃げ出すハメに。
で命からがら、インド料理を食べてる最中の桑原と落ち合うと、「そやろな。」と桑原はこの展開を読んでいた様子。
「もしかして桑原さん、こうなること知ってたんですか?」「そんなもん考えたら判るやろ。それよりこれ、はよ喰え、この唐揚げ、旨いでぇ」「こんな時に、食べられますかいな」と拗ねて見せる二宮に、キレた桑原が「食わんかいっ!!!」で二宮がキャィーンと泣きながら唐揚げを食べるシーンが又、面白い。
ほんと北村一輝と濱田岳、このキャスト、よう考えついたもんです。サイコー。
この二人のキャスティングだから、桑原・二宮の東京での「ナポリタンネタ」が効くんでしょうね。
「東京のナポリタンな、オリジナリティーがないわ」「ケッチャップが違いますねん」「そうそう」って、桑原兄貴、兄貴が東京のゴージャスホテルで食べた保温カバー付きスパゲティは「ナポリタン」と違うんとちゃう?
(桑原がこの保温カバーと格闘するシーンも見物ですが、文章ではちょっと説明できないですね。是非、映像をご覧下さい)
とまあ、第7話はハードバイオレンスが50パーセント、お笑いが50パーセントという絶妙の疫病神コンビネーションプレイで展開しましたが、次回はいよいよ最終回。
ドラマタイトルの「破門」が、どう生きてきますやら。