一直線
キルラキルの放映が最終回を迎えた。
「プププの」では、逐一の感想を書かなかったけど(ってか感想を書くような内容がない)、面白い作品だった。
最終回はさすがに中島かずき氏も、このまま羅暁を只のモンスターとして終わらせる事に気が引けたのか、一応、流子には「母親」と呼ばせてみたり、羅暁には「世話の焼ける子」とかの台詞を振りながら、最後は自分の娘に殺されるのではなく、自害・自爆・消滅する形にしてたのが、可愛いげがあったし(笑)。
でもホントに良い意味で「勢いだけ」の作品で、最終回でも主人公達が、制作サイドの自己弁護の現れなのか「わけわからん」「むちゃくちゃ」・・「でもそれが人間の(真実)」とか、喚いてる始末(笑)。
それなのに、見終わった後の、この達成感や爽快感、燃え尽き感、無茶振りの極みみたいなカタルシスは何だろう?と思う。
少なくとも、「何でも盛り込んで、しかも破綻なし」で、みんなに受けるみたいな安全優等生な作りじゃなくて、こーゆー、一直線形の脚本作り・作品作りのパターンも「アリ」なんだと、勉強になったのは確か。
それと最近見たので、「こーゆー」一直線パターンで、秀逸だったTVドラマは「ダブルフェイス」。
この救いのようの無ささ加減は、久しぶり。
昔は、主人公が無間地獄に堕ちちゃった感のあるドラマって、結構あったような気がするんだけど、、、最近はないね。
表向きダークでも、どっかで「安全弁」が仕掛けてあるのが常だし。
そうゆーのは視聴率が稼げないのか、あるいは制作サイドがそう思いこんでいるのか?
でも業界の立てる「想定ミス」って、最近、そこいら中で起こってるから、安易な視聴者意識のリサーチとかに頼ってると痛い目にあうと思うんだけど(笑)。
「ダブルフェイス」は、香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクなんだって、言われて見れば「香港な臭い」がしないでもない。
リメイクって、どーしても二番手・軽いみたいなイメージがつきまとうけど、でも「偽装警察編」での香川照之さんの演技は凄いよ!
下っていくエレベーターのラストシーンは、久しぶりにゾクゾクって来たよー。やっぱ本物だ。リメイクの軽さなんて全然ない。
あと「潜入捜査編」では伊藤淳史君が大好演!!
w主演の西島秀俊さんの演技評価がないのは、察してちょ(笑)。
嫌いじゃないんだけどね、あの「肩」とか(肩に抱かれたい)。
ところで日本って、コミックとか小説とかの実写化は下手なのに(特にコミック)、映画同士のリメイクが凄く上手いんじゃないかって気がする。
李相日監督の「許されざる者」なんか、殆ど原本通りなのにクリント・イーストウッド版と比べても全然劣化した部分ないし。
逆にその辺り、日本携帯電話のガラパゴス化と、なんか関連があるのかも知れないね(笑)。
とにかく「ダブルフェイス」は、一直線パターンでやりきったのが良かった。
これが欲張って「あれやこれや」と計算してやったら、リメイクなだけにかなりずっこけてた可能性があると思うんだ。
やっぱ「志」を持って、モノは創らなくちゃいけないって事だし、結果はちゃんと付いてくるんじゃないかな?って思うなぁ。
視聴者はそんなに馬鹿じゃないよ。