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ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

「緊急取調室」第3話

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 前のブログ記事で、井上由美子氏の脚本は挑発的と書いたけど、この事についてもう少し補足しておきたいと思います。
 阪神タイガースにはファンの数だけ監督がいると言われてますが、ファンにとって「俺、監督」が、一つの楽しみなのは言うまでもないでしょう。
 野球の場合はルールが決まっていて、さらに選手の情報が、TV等で生で手に入るから「監督」がしやすい。
 でも「映像ドラマ」は、そんな楽しみ方は無理で、視聴者にとっては手の届かぬ所にある、ただ与えられるだけのもの、それに口を挟めるのはプロの評論家だけ・・・って勿論、それは過去の話(笑)。
 そういう映像ドラマと視聴者の幸福な関係が崩れ初めたのは、chika考えるに、レンタルビデオとネットが登場してからじゃないかと思います。
 手に入りにくい(芸術・娯楽)作品から、いつでも手に入る(芸術・娯楽)情報へ。そしてその価値も、何度でも再生・拡散可能なモノに相応しい、誰にでも手に入るレベルに変わってきたのだろうと思います。
 だから(chikaもその一部ですが)、ネットに入れば、TVドラマや映画の感想や評論サイトは山ほどあるし、その内容レベルも、間違いなく一頃と比べればけた違いに上がっていると思います。
 けれど、阪神ファンが星の数ほどいようとも、「俺、監督」がそれと同数存在しようとも、監督になれるのはたった一人で、それはくじ引きで決まったわけでもなく、それなりの経過と実力があるからなれるのです。
 chikaもブログで生意気な感想を書いているけど、この事実だけは忘れた事はありません。
 そういう視点で、「緊急取調室」を見ていると、やっぱり井上由美子氏は間違いなくプロだなって感じさせられます。
 見ている分には、「緊急取調室」の話運びの「入り口で一回目、奥で二回目の二段締め」は、「ふーん、こんな安っぽい展開くらい読めてたよ」と批評できそうだけど、書くとなったら、こういうのは、ちょっと出来ないものなんですよ。
 目の肥えた野球ファンが、ヒットが打てないバッターを非難する事は可能だけど、彼らが打とうとしている球は、普通の人間には絶対に打てないプロのボール。
 そういう所にいる人間が、自分の勝負の為だけでなく、ショーとして、打撃の技だけをみせたら、、その凄みが判るだろうと思います。
 なんとなく、井上由美子氏の「緊急取調室」で見せる脚本って、そんな感じがするんですよね。

 安達祐実の利香が、結局、自分の子どもに罪を被せてたってゆー救われない結末に至るまでに二回ドンデンをやって見せて、最後の最後には、ちょっとだけ利香に情状酌量の余地を与えて終わるとゆー・・・「これくらいなら話についてこれるでしょ?でもこの展開ならどーお?」って感じ(笑)。

 言い換えると、実力のある女王様がM男君のツボを計りながら、相手がついて来れるギリギリの被虐の喜びの少しだけ上を行くって感じ、、って言い換えられてませんね(笑)。
 自分の手の内を見せながら「これなんか、どう?」、まあ素直に本気でぶちあたる感じで話を書いて欲しい気もするけど、「どう?」も小憎らしくていいかなって。

PS 上の文章、補足するまでもないですけど、実際に井上由美子氏が「そんな積もり」で脚本を書いてるだろうって意味ではありませんから悪しからず。
 半分、「お前ら、プロなんだから、それくらいやれて当たり前」ってゆー風潮に対する批判です。

 社会人と名のついた人々は、みんな全員、「その道のプロ」なんですよ。でも実際の所、「やれて当たり前」みたいに堂々と胸を張れる人は何人いるのかしら?

 

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