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ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」終了

原作の「坂の上の雲」は読み終わった時点で、作者の言いたい事の全体像がポーンと伝わる仕組みじゃなくて、読んでいる正にその時、読者がテーマ自体に浸っているというかそんな感じの作品です。文学による森林浴というか「司馬浴」ですね(笑)。」
さてさてこの原作を元に、実に三年間に渡って放映されたNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」が放送を終えました。
一時は政界の人々が、自らを明治維新や日露戦争時代に奔走した政治家たちになぞらえるなどのかなり「深い」ブームを引き起こした程のドラマでしたが、正直言って日本人の娯楽享受能力上では驚くほどのヒットってわけでもなかったのかも知れませんね。
先に書いたように何しろ「司馬浴」をドラマ化するってゆーんだから、毎回涙ちょちょぎれる人間ドラマが登場するわけでもなく、それにしちゃ戦争シーンは大がかりなものを本気で製作しないと見れたものにならないし、これはかなりのハンディを負っての取り組みだったと思います(何度も言いますが、こんなの民放じゃ絶対無理)。
そーゆー意味でも(どーゆー意味じゃ)とても見応えのあったドラマでした。
最終回、我が家に戻った真之が「わしはぼんさんになりたい、供養をせんといかんのじゃ」とかいう場面が出てきてましたが、あれは原作を読んでいないと凄く唐突に感じられたと思います。
いかにモックンが演技上手でも、真之が三笠の甲板に散らばりまくってる乗組員の死体の残骸を彷徨うシーンなしで、あの言葉を視聴者に上手く伝えるのは無理かと、、。
思えばそんなケースがいくつもあったドラマなんですが、それでもやっぱり良くできたドラマだったと思います。
さてさて最終回は最近の年寄りメイクの凄さに驚かされました。
秋山貞を演じる竹下景子のフケ具合は凄かった。(いくら老けても竹下景子って妙に可愛いんだけど)
更に阿部ちゃんの年寄りメイクは、うーん妖怪かっ!って感じ。
こういった諸々の最新技術の結集みたいな感じで、あの陸戦も、最終回の海戦も描かれていたんですねぇ。一時昔の超戦争大作映画より、ずーっと迫力があるんだからビックリしちゃいます。

 スティーブ・ジョブズは『「もしも今日が人生最後の日だとして、今日しようとしていることをしたいだろうか。」その答えがあまりに長い間に連続して「いいえ」になったときは、何かを変える必要があるとわかるのです。』と言ったという。
こうゆー、生を生きる上での覚悟は、何もスティーブ・ジョブズの特許じゃなくって、巷では色々な言葉で語られてますね。
そして多くの人々はこう事を胸に刻んで一生懸命生きようとしてるんだけど、やっぱり現実として「凡人」は、「凡人」として死ぬのよね、、。
 ほぼ100%・多くの人達は、どんな心がけをしようともスティーブ・ジョブズにはなれないってこと。
でも真之や好古はどうだったんだろう?
おそらく彼らはそんな風に、自分を叱咤激励するような事など一度もなかったにちがいないと思うの。
 あるいはそんな暇もないほど、ただあるがままに、しゃにむに生きるしかなかったに違いないと思う。
 そして結果、この二人の男達は、歴史を形作る人間としてその一生を終えた。
 司馬遼太郎先生はこの事を『このながい物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である。やがてかれらは日露戦争というとほうもない大仕事に無我夢中でくびをつっこんでいく。(中略)楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつけて坂をのぼってゆくであろう。 』と一つの明治の時代の輝きとして括ってる。
 そのことを今の日本人がどう評価するか、それが一番、重要な事のような気がしたわねぇ、、。

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