saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

大震災後の宮崎アニメは?

俗に言う宮崎アニメって、好きか嫌いかでゆーと、ちょっと受け入れられない部分がある。でそれが何によるのか?ってのは明確な答えが出ないんだけど。
ただ氏の作り出すアニメとしてのクオリティの高さは文句のないところで、登場人物のちょっとした動作など、変な言い方だけど「実写映画」よりリアリティがあるんじゃないかと思ったりする。
頭の中で「リアルってこうだよね」と思っている通りに「絵が動く」からたまらない。
このクオリティでファンタジーを構成されるわけだから人が引き込まれない筈がなく、chikaも「千と千尋の神隠し」なんかはマイフェバリットの一本にしている。
お察しの通り「油屋」の描写がとても好きで、こんなにおおらかにしかも童話めいたタッチで売春宿を描いた作品は後にも先にもこれ一本ではないかと思っていたりする。
ただ冒頭に書いたけれど馴染めないのは自然と科学文明の対立だとか、文明の破壊と再生なんかをテーマにして、公害や自然破壊などの環境問題とか族内紛争、戦争への批判がきっちりテーマにある部分。
chikaは特にそうゆーのをアニメで繰り広げる事を有り難いとは考えないので、それが喉に刺さった魚の骨のように感じてしまうのだろう。
だって嘆くだけなら誰でも出来るし、(宮崎アニメは綺麗に嘆いているけど)それにモノを造る人間は「嘆き放し」ってのは許されないから、本当は手に余るテーマも世界にはあるんだろうなと。
尤も、なんのテーマ性も持たないアニメを見るのも苦痛なんだけどね(笑)。
話をこのテーマ性に絞るとchikaが一番印象に残ったのが「御腐れ様」のエピソード。
「御腐れ様」は汚れたお客専門の『大湯』に案内されて千に世話を受けるのだけれど、千が「御腐れ様」の体に刺さった自転車のハンドルに気付く事によって、本来の「河の神」の姿を取り戻すとゆー奴ね。
あまりに寓意に溢れてるし、これにソープ嬢なんかのグッジョブをダブルミーニングさせると面白い話ではあるんだけど、でもやっぱりどこかでナンダカナー、、とも思ってしまう。
まあ「御腐れ様」に限らず「謎の少年ハク」の正体もそういう構造になってるし、映画の後半、傷ついたハクを助けるために走り回る千の動機を釜爺に「愛じゃよ愛」と定義させたりと、ここらの仕掛けにはかなり宮崎駿の屈強な意志提示を感じさせられる。
で問題は、「環境問題」にはそれなりの対処方法を編み出して来つつある日本に残ってくるのが、今回の原発事故で露わになってしまった「自然と科学文明」とゆーより「自然と経済」の問題。
宮崎アニメでは「少女」にその答えがあったんだけれど、現状を見回して見るといくら脳内補完をしてみても、それではどうも説得力もなければ歯も立たないようだ。
つまり宮崎アニメは大震災後、名実共に、マシュマロのような完全な「ファンタジー」になってしまったという事なのかしらん。
って事で実は、大震災後の宮崎アニメの復興と再生を密かに願っているのだ。今、求められるのは「風の谷のナウシカ」のリメイク版なのかも知れないね。

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