saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

瀬文、蔵の戸を開けようとする。

「SPEC 〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」

当麻のだらしなく投げ出した細い脚に、踵を踏みつぶしたローファー、その真横の床に額をこすり付ける古戸久子のショットを見て、これつくった人って只者ではないなぁと正直思った。
ストーリー展開の方はかなり無理があるような気がするし、自殺サークル“パーフェクト・スーサイド”の「幹事」の正体が古戸の娘である美智花だったとゆーのも狙いすぎて話としては破綻気味。
そういう話の組み立ての中で、自殺サークルの被害者の肉親が悲痛な声を上げるシーンを挿入しても、それに立ち会った当麻が急にシリアスモードに豹変する説得力には繋がらない。
まあこんな作品に、まっとうな社会的なメッセージなんかを求めるのが非常識ってもんだろうから、それはそれでいいし、作ってる方もそうゆー所は二の次なんだろう。
それでもSpecが面白いのは、おそらく現代のディテールをピンセットで剥ぎ取ってきてシャーレの上で貼り合わせながら別の面白い絵を描こうとしている部分だろうと思う。
相変わらず当麻を演じる戸田恵梨香は懸命に「変さ」バクハツで、一方通行の人間関係しか持たない当麻と、それに対する一見フツーな社会人との接点で浮き上がって来る一つの「世界」が面白い。
specが超人的能力ではなく、人間の未開発な能力であるとした、製作者サイドの狙いは、今の所ぶれないでちゃんと展開しているようだ。

PS 今週の瀬文、蔵の戸を開けようと顔を真っ赤にして四苦八苦しているシーンが意外性があって面白かった。
もちろんそれを悪意全開であざ笑っている当麻の姿も面白いんだけど、これはまあ想定内。
specは特に人物像の「落差」の面白さを、ベースに展開してるようだから、この辺りは重要な事なのかも知れない。
普段、チャランポランな人間が意外に芯があったり、またその逆があったり、その繰り返しを「本当はこんな奴」って落としどころがないくらいやり続けるとゆー、ちょっとしつこいくらいの演出だけど今の所は楽しめてる(笑)。

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!