saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

おもしろき こともなき世を おもしろく

龍馬伝には、史実の取り込み具合についてあまり(あくまであまりということだけど)気にならない放映回が時々あって、今回のがその一つだったと思う。
ようするにドラマとしての「見所」が、視聴者の色々なつっこみ感情をなぎ払って作品自体を魅せてくれている状態。
まあ今回の場合は、一重に伊勢谷友介の高杉が見事に綺麗だったとゆー事につきるんだけど。
なんなら「最近濃すぎてどうしちゃったの?香川・弥太郎」とか、溜める噴出させるの感情演技がシズルな谷原章介の木戸とか、珍しく静の演技で伝達力を発揮した福山龍馬とかを上げていってもいいけどやっぱり「死ぬのが嫌だった高杉」を演じた伊勢谷友介が圧勝。
高杉が龍馬の大政奉還論を支持したり帰依するような感じて描かれる筋立ての居心地の悪さをおしても、同時代を己の志を掲げて駆け抜けようとする男達のそれぞれに対する思い、特に志半ばで逝ってしまう男への思いをあんな風に演出・演技されたら、やっぱ黙って頷きながら見るしかないでしょう。
吉田松陰の「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし」を受け継ぎ「おもしろき こともなき世を おもしろく」を生きた史実の高杉晋作を知る後世の人間にしてみたら、伊勢谷友介が打ち寄せる波の中に己の無念や慟哭を流し去ろうとし、上げた顔に不屈と遊び心を装おうとして、それをし損じる若き晋作に心を寄せざるを得ない。
たくさんの言葉の説明が必要とされず、その分、見せなければならない所で、伊勢谷友介がちゃんと勝負した、って感じ。
(なんだか「明日のジョー」で力石徹を演じる伊勢谷友介の姿がちらついちゃったけど)。

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!