saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

正義は必ず勝つ!!んだろ?

仮面ライダーブレイドの最終回。ちょっと複雑な気分。クウガを除いて平成ライダーシリーズの最終回は、そのどれもがテーマをどうまとめるというより、今までばらまいてきた伏線を回収したりその世界観の整合性を保つので精一杯って感じだったので、地味すぎる程手堅い物語展開で進んできたブレイドの最終回って、実にノーマルである上に、色々な選択枝がありえた珍しいケースなんですよね。

それがまるで映画のシェーンみたいな余韻を残すエンディングになるとは、、。
世界の終焉を左右する自分の友人を破滅させたくない一心で自ら異形のものになる選択をし、尚かつ友人の幸せの為に自分が属する日常世界を捨て去る決心をした男。ブレイドの最終話は、ヒロイズムよりも自己犠牲のニュアンスが強いんだよね、、。
自己犠牲で幕を閉じる話は、大体が主人公自身の死が暗示されて、表現は悪いけれど、その「死」がある種の救済になっている場合が多いでしょ、、。つまり主人公の生き様は永遠に人々の胸に刻まれ、尚かつ主人公はそれ以上苦しい戦いをせずにすむわけだから。
所がブレイドの場合は剣崎君はアンデッドという不死の怪物に変身しちゃったわけで、彼は事態を収拾する為に、内なる自分自身の凶暴性と永遠の生を同時に相手しながら生き続けなければならないわけなんだよね。
・・そう言うモンスターっているでしょ。最初は良き領主だったドラキュラ伯爵、それに神話世界設定でよく登場する堕天使ルシフェル。いずれ彼らは自らの良心を否定するようになる。
そういったイメージを想定しながらブレイドの最終話を組んだのなら、これは相当「苦い結末」という事になる。
それと始というモンスターが、他人の力で人間社会で生き延びる事が許されるという設定も凄いかも。大体今までのシナリオだとモンスターは「人間社会で生き延びる事を夢見ながら死んでいく」というベクトルを内包してた筈なんだけれど、これも突破しちゃったし。珍しいよこの展開、、ニュアンスが似てて有名な小説には「ああ無情」があるなー。ジャンバルジャンの例で言うと、たぶん始君も天音ちゃんに自分がモンスターだった事を気付かれる日が来るんだろうね。
とまああれやこれやと考えると、この最終回の苦さは特上なのかも。
それとブレイドの前枠番組のデカレンでよく叫ばれる台詞「正義は必ず勝つ!!」ってゆーのが最近、悲鳴のように聞こえるんだけど気のせいかな。

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!