だんじり祭り

繊細で頭のいい人は知っている。愉快で頭のいい人も知っている。勢いが良くて頭のいい人は少ない。そういう人は、周囲とぶつかって凹んでしまうか、丸くなってしまうからだ。それでもそういう人がしぶとく生き残っている時もある。
少し前から注目しているのが町山智浩氏だ。「華氏９１１」を紹介している時は映画ジャーナリストとしては入れ込みすぎ（それが又、素敵なんだけど）のきらいがあったけれど、最近のベイエリア在住町山智浩アメリカ日記で『民主主義というのものは、政治を理解できる自立した「市民」が投票するという幻想の上に成り立っている。でも、実際は何もわからない「大衆」が大半だから、民主的な選挙でヒットラーが選ばれたり石原慎太郎の支持率が高かったりするわけだ。』を読んで、やっぱりこの人は頭が良くて勢いがあるなぁって再認識した。
メジャーメディアは絶対に「愚民思想」を自分自身が使用するアイテムに使用しない。はっきり言って多くの国民が阿呆な状態で居るときでも「実は国民は慎重に○○の判断をしており」なんて考えてもいない口当たりの良い事を言ったりする。
恐らく「頭の良い」彼らのことだから「日本の国民ってのは豚以下だね」なんて愚民思想そのもののような事を考えながら、口では「私たちは常に庶民の側にたってます」みたいな事をしゃぁしゃぁと言ってのけるのだろう。
それに比べて町山智浩氏の気持ちの良い事よ。町山智浩氏がそう言ってのけられるのは、氏自身が民衆の可能性について絶望していないからだと思う。