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仮面ライダービルド 第34話 「離れ離れのベストマッチ」

 思い起こすと、chikaがビルドについて批判的な感想を書き始めたのは「戦争編?」に入り始めた頃かな?それでも暫くは「鉄オル」なんかを引き合いに出しながら、ビルドが「戦争テーマ」に手を出した事にどう着地点を見いだすのか、見守っていた気がする(笑)。
 なにか今は「戦争って何?それ美味しいの?」って展開になってるけど(笑)。

 それが、「もう批判的な姿勢でビルドを語るのを引き返せないなぁ」と思い出したのは、実際には「戦争」云々の事より、ビルドに「手を変え、品を換え」の展開手法のあざとさが目立ってきたからなんだよねえ、、。
 最初から全体のプロットがしっかりしてて、逆回しの感じで伏線・ミスリードの連発なら、ビルドの今の感じも面白いんだろうけど、ビルドって細かく見ていくと、そこまで緻密に計算やっているような感じがしないのね。
 まあ「行き当たりばったり」でやってるわけでもないんだろうけど、大体大雑把な、「ひっくり返し方」を考えておいて、その流れで進めてるって感じかな?

 今回のエピソードで一番、吃驚したのは、スタークに「お父さんを帰して!」みたいな感じで憤る美空に対して、スターク(いや今はエボルトか)、エボルトが「何を今更言ってるんだ。自分の父親が乗っ取られてる事も気がつかなかったくせに」みたいな、切り返しやったのを見た時。
 「あー、酷いなー、こんな感じで、今までの美空とマスターの親子関係の描き込み不足とか色々な矛盾点を、説明して片付けちゃうんだ」って、がっくりきちゃった。
 長い話を書いてると、特にビルドみたいな展開をしてると、細かい人間関係上の矛盾がつみかさなって来るものだけど、武藤脚本ってそういうのを、短い台詞で説明して回収しちゃうパターンが多いのね。
 「あーだったから、こうなった」みたいな(笑)。

 勿論、そんな事もしないで、矛盾垂れ流しのライダー脚本は今まで沢山あったから、それに比べればマシといえばマシなんだけど、それでもなんか、このやり方引っかかるんだよね。
 主人公が物語の中で生命を得て勝手に動き出して収集が付かなくなる、みたいなのはライダーをライブで見てる人間からするとあまり気にならないんだよね。
 今なら、物語としては破綻した最終話を迎えたライダーを見ても、何か「許せる」って感じ。
 その代わりに、ライブの時に何を安定供給してくれたかが大事って(笑)。

 むしろ「ドヤ、俺のストーリーテーリングは、緻密だろ?驚愕だろ?」ってやられると、そのほころびの方に目が行っちうし、いつまでたっても同じ事を吠えてるキャラ見てると、キャラって将棋の駒じゃないんだけど?とか思っちゃうし。

 でも批判ばっかしてるけど、chika個人のビルドのライダー番付はかなり高いんだよね。
 chikaのライダー番付の基準は、「全体としての完成度+革新性」だから(笑)。
 ビルドって大関・関脇クラスに入ります(笑)。

 

 最近思うんだけど、ビルドが一番凄いのは、スタークっていう極めつきの新しいラスボス像を造り上げた事じゃないかな?
 これに似たのっって、ライダー歴史で言うと龍騎の神崎士郎くらいだと思うけど、仕上がりとか魅力度で言うとスタークの方が遙かに上。
 それと今回、又、「万丈の正体がエボルトの一部だった!」みたいな「驚愕怒濤の展開」になってたけど、そこじゃなくて、肝心なのはその万丈が、やっぱり戦兎を選んだって事だよね。
 これは、自分の実体が「悪魔の科学者葛城巧」であるのに、戦兎は自分が「正義のヒーロー」である事を選んだのと同じ構造になってる。
 もしビルドに「テーマ」性というものがあるなら、まさに「人は自分の思いの中で変われる」っていうのがテーマみたい。
 武藤脚本がそう考えて書いているのか、他の色々な要素が多すぎて定かではないんだけど、視聴者として感じ取れる一番大きな部分は、それだよね。
 この部分も大きいなって、実は評価してるんですよ。
 最近のライダーが持ってくるテーマ性って、ほとんど飾りみたいなのが多くて、視聴者の胸にまでちゃんど届けてくれる、くどさとか強烈さがなかったんだよね。
 その点では武藤脚本って、それなりのエネルギーがあるなって思うんですよ。

 

 

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