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saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

真田丸 第20回 「前兆」

「大仏の くどくもあれや やりかたな くぎかすがいは 子たからめぐむ」
 聚楽第の落書き、こんなのだったかどうかは判りませんが、当時の秀吉に対する批判が高まっていたのは史実として確かなんでしょうね。
 で、この件で秀吉は尾藤道休など60名以上を処刑したワケなんですけど、三谷脚本はここに「真田丸」を濃厚に絡めてきます。
 ところで物事には、言う「タイミング」がある。ってのをchikaが知ったのは随分大人になってからの事です。
 逆に言えば、そういうタイミングを必要とする人間関係が大人になるにつれ自分の周囲にどうしようもなく形成されていったって事ですが。
 そしてオマケ的についでに書いておくと、その「タイミング」で物を言ったところで、自分が思ったように事が進む事は希で、更に言えば、計算したタイミングではなく、「追い詰められた」タイミングで物を言わなけれればならない事も実際にはかなりある(笑)。
 第20回の真田丸は、豊臣滅亡の、それこそその前兆を描いた、ちょっと谷間みたいな感じのエピでもありましたが、女優陣を前に押し出しながら、日常に潜む人間のブラックテンションや、その回避方法に触れた内容でもありましたね。
 冒頭に書いた「物を言うタイミング」を、もっとも冷静に考え、常に用意周到さを怠らない三成が、 聚楽第落書き問題沈静化に向けて、半分覚悟の上とはいいながら、ついに秀吉にタイミング無視して「言っちゃい」ましたね。
 勿論、ドラマの最終部あたりで三成が、あの落書きを書いたのは「民」だと言い切った時点で、彼はこの時点での秀吉に相当な危機感を覚えていたのは確かなのでしょうが。
 それでも「自分が進言するならば、もしかして」という微かな期待はあった筈なんですよね。
 でっち上げた落書き犯人の首を差し出しても、一向に怒りが収まらない秀吉を前にして、自分の本心を進言せざるを得なくなった三成、ドラマ上の出来事とはいいながら、chikaは三成って、「ホントはこのタイミングじゃない、こんな時に、こんな事を言ったって火に油を注ぐようなもんだ。でも仕方ないだろ!覚悟を決めろよ自分。」って考えてたんだろうなぁって思わず感情移入してしまいましたよ。
 で案の定、普通のドラマだったら、秀吉が三成の覚悟に免じて一旦矛を収めるような、あるいはそれに近い心理描写を入れる筈なんだけど、三谷版の秀吉は、容赦がなくて、当たり前の様に揺るぎない狂気でもって「誰に物言ってるんだ三成、お前、切腹しろ!」ですからね。
 で、このドンズまりの情況で寧様が登場。
 まさに女性版の「待たせたな!」ですね。
 結果の見えた男同士のヒエラルキー進言修羅場の情況回避を可能にする唯一の可能性。
 もちろん、ここに登場した寧や茶々にも女性特有のヒエラルキーがあるんですが、それは男のそれとは基本が異なっていて(寧、阿茶局、茶々、三人のお茶会参照)、その彼女たちが組んで、この時の秀吉を包み込み彼のブラックテンションを分散させてしまうワケですね。寧の迫力堅実トスに茶々の変則スパイク。
 だからと言って三谷脚本は女性パワーの礼賛をここでやりたかったワケでもないでしょう。
 第一、この場面以前に、寧には「あの人は最初から怖い人だった」と喋らせているわけですから、寧は自分の秀吉に対する影響力の上限も、その限界も充分に判っている。
 恐らく、今回、寧が三成の窮状を助けられたのはギリギリに近い部分なのでしょうね。


 ここに来て、三谷脚本が「三成、実は熱い漢」を加速させるのは、豊臣の為に滅んでいく信繁の「頭の良い彼が何故?」に、応えていく為の布石でもあるんでしょう。
 この展開の進め方は「新撰組!」で、近藤勇が色々な情況に絡め取られていきながらも、自分の根本にあるものは失わず、切腹に向かっていく感じと良く似てる。
 確かに信繁もこんな熱い三成に庇われては、計算抜きで没落していく「豊臣」という全体を助けようとしますよね。
 それと、今回の信繁の「落書き犯人でっち上げ」策略も、結果的にはクリーンヒットにならず、返って物事の推移の局面を複雑にしただけのような感じなんですよね。
 信繁のこーゆーの、過去のエピソードで何回も登場します。
 一時だけ、信繁は機転が利いて頭が良い印象を受けるんだけど、その策略の相手が、どす黒くて大きなものだと、結果的に信繁自身が、その事で逆に追い詰められてしまうというパターン。
 信繁が豊臣と共に滅ぶのは、これの拡大版なのかもと思ったりします。
 でも三谷脚本では、その事を「悲劇」とは捉えてないんですよね。
 人生、こーゆーのもアリって感じなんでしょうか。
 chika自身は「新撰組!」の時も、中々、このスタンスを受け入れずらかったのですが、、。

 

 

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