「ウロボロス この愛こそ、正義。」第6話 & 「破門」第5話
このTVドラマの原作である黒川博行さんの「疫病神シリーズ」は、読もう読もうと思いながらの完全スルー状態なんですが(笑)、ドラマの方は今回のエピソードで原作の「疫病神」から「破門」へ移り変わって行ってます。
原作では間に「国境」という作品があるそうですが、TVドラマ展開では「疫病神」→「破門」でも全然問題ないとゆーか、濱田岳君演じる二宮の災難(?)がやっと金を回収し終わって、ようやく平穏な日々が訪れそうって矢先に、再びあの「疫病神」が!みたいな感じで、息つく暇もない展開になってます。
そうそう疫病神と言えば、今回のエピソードで二宮が桑原に、「この疫病神が、」と毒づかれて、「疫病神ぃ?、、、あかん・・こいつに言われた。」と思い切り凹むシーンは秀逸でした。
ですが、産業廃棄物の処分地をめぐっての利権争いの本丸・舟越建設に乗り込みケツをまくって、とうとうそれなりの金を回収して見せた二宮に、「これは祝儀や」と分け前以上の金を与えた桑原、只の疫病神じゃなかったですね(笑)。
でも計算したらこの二人、滅茶滅茶ハードな仕事ぶりの割には、そんなに儲けてないんですよね。
コスパだけでいったら、この二人、特に桑原の方ですが、敵対するフロント企業常務の水谷に持ちかけられた取引に応じていたら、そないに苦労せんでも、それなりの金は手に入れられていたはず(笑)。
社会の溝に生きているような二人でも、「自分の筋」を通して金を漁る。
桑原がそれをやるのは妙に板に付いているんですが、二宮の方はギリギリ目一杯の所で踏ん張って自分の受けた仕事の筋を通す。
その辺りの対比が面白いんですね。
今回のエピでも、二宮が交渉相手の胸ぐらを掴んで情報を聞き出す様子を、後で構えた桑原が「とうとうお前もここまで来たんかいな」って感じでニヤニヤ笑いながら見守っていたりして(笑)。
花丸連続のこのドラマですが、唯一、文句があるとすれば北村一輝さんが演じる桑原が余りに、男として格好良すぎる所。
桑原が、苦い敗戦の味を味わった「水谷の犬」を再び相手にして、札束ガードで応戦・金的蹴りで見事撃沈したり、桑原に説教する二蝶会若頭に「この世でいちばんキツイのは、退屈ですわ。」と応えてみたり、、。
まっ、これがあるから黒川博行さんの「疫病神シリーズ」が、娯楽を目的としたハードボイルド小説に位置できるんだろうけど。
ほんと、まかり間違うと、関西版エルロイの犯罪小説ですからね~。
って所でついでに第6回「ウロボロス」の感想をチョロッと。
今回のを見てつくづく思うんですが、「ウロボロス」って脚本とか演出とか構成とか、もうちょっと何とかなってればかなり見応えのあるドラマになっていたんじゃないかと、、。
「蝶野刑事、まさかの…」みたいな演出、なんか必要あるのかなぁ?
確かに、この時点で殺されちゃうの!?って一瞬は思ったけど、その驚きが作品にナンにも生きてないもんね。
こんな演出してアホちゃう?としか思えん。
でその後、蝶野刑事の「イヒヒィ~!」ってゆー化鳥見たいな笑い声に繋がっていくんだけど、いやホント、でそれでなんなの?って話。
そんな事、やってる暇があるなら、0課の二人をもうちょっと掘り下げておくとかさ、、。
やり方が「この二人は悪い奴なんですよ」って看板付けて登場させただけで使い回しするから、浅い浅い、二人が暴れれば暴れるほど「やっぱ漫画だよ」感が半端ない。
でもそーゆーのって俳優さん達のせいじゃないでしょ。
俳優さん達は、小栗旬君は勿論なんだけど、生田斗真君・上野樹里ちゃん達を初めとして実に良い感じなんだよね。
これがもし他のキャストでやってたら、「ウロボロス」ってボロボロスになってたんじゃないかと思うんだよな。
で、そろそろ綾野剛君の登場か、、、どうなる事やら。
しかしネットで見た綾野剛君の那智聡介、、どーしても実写ルパン3世の石川五ェ門を思い出す、、。