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ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

「MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜」Episode #10 最終回

 一応、最終回だったので感想を、、って、番組最後に流れたWOWWOWで始まるシーズン2の予告が、例によって異常に格好良かったけど、肝心の地上波の最終回自体は、超普通だったね(まあ、各登場人物の不死身ぷりだけには驚かされたけど)。
 結局、何にも解決出来ず、爆発と人死にだけが続いて、倉木は最後まで捜査能力0のままだったし、、長い全10話に渡る予告編を見てたのかなぁ。
 それと自分の服に、画面から漂って来る煙のせいで、タバコの匂いがしみこんじゃったし(笑)。
 とにかく壮大なスカタンドラマだったよ。なんとなく、失敗パターンが同TBSの「最後の警官」に良く似てる。
 自分たちの「格好良い」を満載して作品にした積もりが、返って来た反応が「はいはい、もう判りました。ご立派、ご立派」みたいな。
 それでもかろうじて香港ノワール映画の雰囲気を最後まで踏襲し続けたから、「最後の警官」の壊滅レベルまではいかなかったけど。
 ところで所謂「裏」だったBORDERとMOZUは比べようがないし、比べるのが愚というものだけど、同じドラマ作りという点では「才能」と「志」の差が出たのかなと思う。

 その二つが、明らかにBORDERの方が上回っていた感じ。
 まっMOZUの場合は「志」というより「野望」だったと思うんだけどね。
 ダブルフェィスの栄光をもう一度、俺たちならもっといけるみたいな、、結局、それが油断と慢心を生んだんじゃないかな。
 それに対してBORDERはぐっと絞ったリソースだけで各々の才能を振り絞って新しい世界に切り込んでいくみたいな気迫とゆーか「志」がはっきり感じられたもんね。「激突!」を撮った頃のスピルバーグとか、のあの感じ。
 例えば、BORDERでは石川の兄の自殺であるとか、父親の事はちらっと出てきただけで、そのまま終わってるよね。
 普通のドラマなら、絶対、それに絡ませたエピソードで一本まるまる撮っちゃう、それが今までのドラマ作りの定石だから。
 でも良く考えたら、現実の人間って、過去に抱えたトラウマを引きずる事はあっても、それはドラマで展開する程、しつこくないじゃん。トラウマは現在の登場人物を形成する一つの要素ではあるけれど、一部分でしかない、それを忘れる事だってあるし、人の行動の全てを左右する程の重要な因子でもない。
 だからBORDERでの取り扱いは凄く自然なんだよね。むしろTVでこーゆードラマを見過ぎてる視聴者のほうが、「普通は兄の自殺辺りを話にもっとからめてくるだろ」って先読みしちゃう。それで以て、その通りのエピを持ってくると、「なんだ普通の展開じゃん」とか言って飽きられちゃう(笑)。
 そういう視聴者と従来のドラマの関係性に切り込んで行ったのがBORDERで、そういう関係性に悪乗りしたのがMOZUってことじゃなかったのかな?
 まあ視聴率の逆転がそれを表しているかどうかは難しいところだけど、両方ともを視聴した立場から言うと、少なくとも制作側のモノヅクリのスタンスの差だけは肌で判ったよ。

PS それと言いたくないけど、俳優さんをどう使うかだよね。

 西島さんは、確かにこーゆー「ハードボイルドだど」には絵図として見栄えはいいけど、あんなに一本調子だと倉木みたいな主役を張るのは無理。
 ダブルフェィスの時は辛うじてキャラに適合してたけど、運命に流される人間と、曲がりなりにも運命を切り開いていく人間とは、その人間性の陰影の度合いが違うからね。(「八重の桜」の時の「あんつぁま」も、維新後は全然駄目だった)
 そーゆーのをどれだけ考えた上でのキャスティングだったのか?と、やっぱ「二匹目の泥鰌」感覚があったんじゃない?
 それに比べてBORDERの方は、初めから小栗旬への当て書きだからね、この差は決定的だったんじゃないのかな。

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