BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係 第5話「追憶」
最初から宮藤官九郎キャラと「BORDER」ワールドのコラボを狙った企画ですね~(笑)。
このエピソード、「BORDER」特有の設えだから、ちょっとオシャレな格好良いダークファンタジーに見えますが、やってる事は完全に「落語ネタ」です。楽しめました。
でも、もっと人情ネタを駆使してじっくり泣かせて来るのかと思ってたから、ちょっと肩すかしの面も。
その分、「石川にしか見えない死人設定」をカメラワークと、演出・演技でガンガン魅せてましたね。
死人である被害者の男性と凸凹コンビでやりとりをしてる場面より、石川が一人だけで死人と喋ってる(つまりドラマ内での一般人の目線)シーンの方が怖いですね~、「ひょっとしてホントは石川っていかれてる?」みたいな。
小栗旬君もこのシーンでの演技を楽しんでやってるとゆーか、役者やってると、面白さを感じる場面なんでしょうね。
あと細かなやりとりが効いてますね。それも、たぶん実際の人間ならこんな事するやろ、それあるある、みたいなレベルで、そうゆーのが演出されてるからいい。
普通、ドラマの主人公って間違っても舌打ちなんかしないでしょ(笑)。それをやって、しかもそのご当人には死人が見えてしまうから良い。その他、たとえば前回のエピならサイモンが机の上のモノをガーって払い落としたのを几帳面そうな石川が片付けたり、「BORDER」の場合は、そーゆーさりげないスパイスみたいなのが、悪のりしない程度にいつも数回混ぜ込んであるんだけど、今回、宮藤官九郎相手だからってワケでもないんだろうけど、ノリツッコミが顕著でした。
「自縛霊ギャグ」は、石川が言いそうやな~って視聴者が思ったタイミングで出てたし、それに対して宮藤官九郎がドンピシャリに「洒落になんないんですけど」(笑)、ほんとこちら読んでるわ~、制作陣。
それとか石川の「SP・岡田准一」を彷彿させるような走る追跡アクションが終わった後で、彼がぜいぜい息を切らしながら、何事もなく追いついてきた宮藤官九郎幽霊に「ズルすんな」とか。
(昔、同級生で忍者走りする男子がいたんだけど、小栗君の走りを見てるとなんとなく、それを思い出す。指先をピンとのばしてシュタタッタッって走るのが格好よくて、その時だけボーイフレンドにしてやってもいいっと思ってた)
そんな感じで宮藤官九郎「BORDER」コラボ臭全開のエピだったけど、それでも、さすがだったのは、今回だけ特例のハーツフルコメディで終わっちゃうんじゃなくて、石川が最後の最後に「とうとう家宅侵入かよ、、」とか言いながら宮藤官九郎幽霊の娘の姿に涙するシーン。
うーん石川、いろいろな意味でもう半分以上、「BORDER」超えちゃってるよ、、。