saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

009 RE:CYBORG

弟の家で劇場用アニメをブルーレイで見ました。
劇場で見損ねたものは、大抵こうやって弟のコレクションでフォロー出来るからありがたいですね〜。
作品のタイトルは「009 RE:CYBORG」。ほんとに日本アニメの技術進歩には目を見張るものがあるねー。綺麗、格好良い、演出凄い、残ってるのは脚本力だけって感じ。
脚本については後で書くとして、ここではchika的見どころをまず最初に。
一番、興奮したのは009こと島村ジョーが、ドバイで勃発した核爆発から逃れる為に加速装置を使って、次々に爆発炎上壊滅していく街を背に全力疾走するシーン。
このシーンはハリウッド映画でも撮れんでしょう。
映画の後半の名シーン、002・ジェットの飛行シーンが映画アイアンマンとタメ張ってて、どっちが先?どっちか勝ち?って感じだったのを悠々こえてます。
こーゆーのが表現出来るんだと知ったら石ノ森先生、すげー漫画をとゆーか、本気で「宮崎駿」を絶対やってたと思いますよ、、あはは、「スタジオ009」とか。
それと2番目に押しなのは004。アルベルト ハインリヒ。
旧式右手マシンガンを敵に構える004の腰の入った立ち姿が、子宮直撃レベルで超カッコいーっ。もう歌舞伎のミエレベルです。「よっ成駒屋っ!」の掛け声の代わりに、贅沢に床に散らばる空薬きょう。
3番目は再び009、、一応、この映画ではピュンマを除く、全てのサイボーグメンバー達の得意技ってか特殊戦闘能力がご披露されてるんですが、中でも009の格好良さが群を抜いて目立つのは主役だから仕方ないでしょう。
でもこの場面はアクションシーンとは違うツボです。
映画の結末近くになって、今まで個性的な(ある意味、国旗的ステレオタイプな)私服だった00ナンバー達が、例のコスチュームに着替えて作戦行動に備えるんですが、後からギリチョンで合流した009は着替えるのが遅くなって、マフラーがまだなんですよね。
そんな彼が作戦の確認をしながらマフラーをブワーっと首に巻き付けるんですが、このシーンは下手なアクションより鳥肌ものです。

てな具合に絵面やアクションを語って行くと切りがないほど、格好良い・綺麗・のてんこ盛りの作品なですが、話が脚本になると、、うーん、難しい、、。
難解な味付けにするなら、中途半端にやらずエヴァくらい確信犯でやればいいんだけど、変に同時多発テロとかを取り入れた上で「神」テーマにするから、作り手の力量が透けて見えちゃうという、、。
でもこれは石ノ森先生が描いてきた009シリーズのテーマをかなり忠実に踏襲した上の結果だからあんまりとやかく言えないんだけどね。
だって最初、学ラン着た高校生テロリストして島村ジョーが登場した時は、どこまでリニューアル?って思わされたけど、よく見りゃ本編中ずっと石ノ森先生が愛した「憂いを帯びたどこまでも優しいシスコン臭ぷんぷんの島村ジョー」そのものなんだもん。
それとか003。フランソワーズが母性を無くしてエロ過ぎるとか言われてるけど、フランソワーズの本質は、高校生として虚偽の生活を続ける島村ジョーに寄り添う女子高生として現れてるんじゃないの?
つまり神山健治監督、ちゃんと原作をリスペクトしてるわけよ。
でもなぁ、、それでも、なんか消化不良。
結末に向かって、掲げた神テーマがブワーッと広がっていって、その分、いろんな出来事の後始末が放置されたまま。
しかもあの結末だからなぁ。
あれはどう考えても死後のイメージ。あんなタイミングで「千と千尋の神隠し」の水上電車もどきを使われてもなぁ。
もしくは、あの結末で失踪したピュンマや007グレート、サムエル・キャピタル社の陰謀の本質なんかを観客に補完してくれってってゆーのは虫がよすぎ。
「天使の化石」が神山健治監督の考えついた一つの答えってかこの作品の「括り」なんだろうけどね、そこんとこに上手く着地出来てないってか、、。
まあ原作も未完に終わってるから、それまで似せたって言われたら仕方ないんだけど。


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