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ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

「進撃の巨人」第25話 最終回

 女型巨人が壁に開けた穴から人類世界をのぞき込む超大型巨人の目のアップで・・・「進撃の巨人」が終わってしまった。
 まるで続編が決まってるハリウッド映画のラストシーン、、吃驚したなぁ、こんな中途半端で番組が終了するなんて。
 でも良く考えたらこのペースで原作をアニメ化していったら、原作の連載ペースを追い越してしまうもんね。物語の切りの良い所で、テレビの運行スケジュールに合わせながら終了するのが当たり前だよね。
 当然、アニメ化の続編はあるんだろうと思うけど、待ち遠しいなぁ。我慢しきれるかなぁ、浮気して原作マンガに乗り換える?ネタばれ情報を仕入れちゃう?とかもっか思案中です。
 いや、この謎解きと謎にまみれる楽しみは、やっぱとっとかないと(笑)。暑い夏、良く冷えたビールの一口目を味わう為に、喉の渇きに耐えるのとおなじですね。
 って事で、ここ暫く忘れていたアニメの楽しみを思い出させてくれた「進撃の巨人」への感謝を込めて最終話の感想です。

 アニ巨人とエレン巨人の追走劇が展開されている最中、ある教会では司祭が祈りを捧げ教えを説いています。
 信者同士が肘を組み輪になって彼らが信仰している壁を体現しているようです。
「神聖なる壁を疑ってはなりません」
「神の手より生まれし3つの壁は 我々の信仰心を捧げることでより強固になるのです」「神を信じる無垢な心こそが 巨人から我々を守る術であり 唯一巨人を退けられる力なのです」

 そこまで唱えたとき、轟音とともに教会の屋根から女型巨人が倒れこんで来ます。
 輪になっていた信者は全員即死、その骸を見下ろすアニ巨人。
 このシーン、ぞくっと来ました。
 遠景でも、エレン目線でもカット割りはなんとでもなる筈なのに、アニ目線で自分が倒れこんだ地面を見下ろすと、まるで押しつぶされた虫のような「善良な人々」の死骸が。 、、凄い表現ですね。
 そしてこのアニ目線を無理矢理、被せられた視聴者が、その光景を見るアニの心情を推し量れるのかといえば答えはノー。

 この時点でもアニの行動目的の謎が提示されていないから、アニがこの死体を見てどう感じているのかが全然判らない。
 これは強烈に不安になりますね。濁点付きの「えー」ですね(笑)。

 この描写で壁を神と崇める宗教団体と、巨人の謎との関係はなくなったかと一瞬考えましたが、教会は潰れて信者が大勢死んでも司祭は生き残って何やら喚いていましたから、この宗教、巨人の謎からはまだ完全退場ってわけでもなさそうです。

 もしかしたら「巨人」と「壁」は概念的に「対」になっていて、この宗教はその「対」の部分を説明する為にあるのかも知れませんが。

 

 それからゾクッとした描写と言えば、エレン巨人にアイアン・クローを食らったアニ巨人の壊れた顔、この壊れた顔でアニが闘い続けるシーンね。
 プラス、それと対比をなすかのような静かなる戦いの女神ミカサ。壁に撃ち込んだアニ巨人の指を切り落としてアニ巨人を墜落させながら、その壊れた顔面に足の裏を向けて「落ちて」というミカサ。
 悪趣味と言えば悪趣味、でも女型巨人は乗り物にしか過ぎないんですよね。しかも再生可能という万能道具、いくら壊れても平気ってやつ。
 アルミン理論によると「世界を変えられるのは人間性を捨てられる者」って事なんですが、アニが人を殺して平気でいられるのは、そういう事より、むしろ、巨人化している最中は肉体損傷に対する感情が麻痺してしまうんじゃないでしょうか。
 あるいは巨人化する術や行為を積み重ね過ぎて、人間の生死が肉体の損傷に直結している事を忘れるとか、自分自身の肉体に対する価値観が狂い初めているとか、万能感に酔いしれて人間がゴミのように見えるとか、そんな風に考えるのが普通ですね。
 ほら一時期「ゲーム世代の子ども達は人間は死んでも生き返ると思ってる」みたいな批評家さんたちのコメントが流行りましたが、あの感覚ですね。
 前にアニ巨人が自分にアンカーを撃ち込んだ兵士をワイヤーごと玩具みたいにブンまわすと言う、トンでもないシーンがありましたが、アレなんかはアルミン理論で説明されるとちょっと駄目なんじゃないかと(笑)。
 あれはアニが狂っているからと言って欲しいもんです。あの人間の身体を玩具にして楽しんでいる姿を、高邁な目的の為と説明するのは、ルール違反ですよ。
 それに今回、壁から落下中のアニの回想という形でアニの過去に迫るシーンが少し追加されてましたが、あれもどうやら人殺しを楽しんでいるアニ巨人の精神性とバランスが合わない。
「アニ・・・俺が間違っていた・・・ 今さら俺を許してくれとは言わない けど・・・」
「一つだけ・・・一つだけでいい 頼みがある・・・」
「この世のすべてを敵に回したっていい」
「この世のすべてからお前が恨まれることになっても・・・父さんだけはお前の味方だ」

「・・・だから 約束してくれ 帰ってくるって・・・」
 「進撃の巨人」では前後の繋がりが伏せられて話が進行するので、これも良く判らないんですが、アニの状況判断とすれば当初の目的であったエレン拿捕が殆ど不可能になり、逆にこのまま自分が追いつめられ調査団に拿捕されるような事になれば、自分が抱えた秘密が暴かれる事になる、ならば壁の外に逃走。って感じの時に、エレンとミカサの執念の攻撃で万事休す、その時、思い出したのが自分の父親の言葉って展開なんでしょうね。
 束の間、人の心を思い出したアニの表情を見て、止めがさせなくなったエレン。
 そこまで話を持っていくなら、やっぱり、アニは「大義の為に人を(楽しんで)殺す」みたいな設定は良くないと思うんだけどなぁ、、、。
 まあ、これも続編で明らかになっていくんでしょうけど。
兎に角、早く続きが見たいよ~っ。

 

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