サバトの幕開け 礼Master
４９回 仮面ライダーウィザード 「サバトの幕開け」
こんな状況で、思い切り暗い顔されて「俺が最後の希望だ」って言われてもなー。
制作サイドにしたら、このシーンで晴人の白い魔法使いに対しての強い怒りと決意を表したつもりなんだろうけど、あんまりそう見えないんだよね。
前段である仁藤の活躍の方が鮮やかだったし、コヨミを救うためだったら自分が犠牲になってもいいって相変わらずグデグデやってる晴人の姿が足引っ張ってるよ、こーゆーのて今までのエピソードの積み重ねで、もうとっくの昔に卒業してなきゃならない筈なんだ（作劇的に言ってもね）。
少なくともウィザードを見続けている視聴者は、そう感じるよ、嫌でもね。
それに人柱って４人いる筈で、だったら犠牲になるのは晴人だけじゃなく他の３人もでしょ、そこんとこスルーなの？それともそういう事に気が付かない程、晴人が駄目駄目人間なわけ？
でも今回の展開見ててつくづく感じたんだけど、ウィザードって話的には、行き当たりばったりの作法で構成されてるわけじゃないって事なんだよな。
古の魔法使いとか、ファントムを食い続けるか己が食い殺されるかってゆー足かせを嵌められていた仁藤を登場させた事とか、まさにこの日の為に用意されていたわけで、、所がその布石が「ドカーン」って綺麗に爆発しない。
なんでだろうってつくづく思うよ。
例えば今の笛木の描かれ方見てると、どーみても娘への愛情に目がくらんだマッドサイエンティストの成れの果てってゆーより、完全な「悪役」、しかもかなりドライな（笑）でしょ。
これも本当は、妄執の果てにそこまで変質してしまった「愛情深い元父親」ってゆー演出なのかも知れないけど、やっぱそーは見えない。
だってコヨミと笛木の間との交流（たとえソレが不毛なものであったとしても）シーンが殆どないし、コヨミにしてもその人間像を描いたシーンが過去ちょっぴりしかなかったらね。
今の二人はビックリするほど「冷え切った赤の他人の関係」で、これって逆にどんな演出したらこーなるの？ってくらい。それとも笛木にしてみたら、今のコヨミは人形だからって説明？だったら晴人の立つ瀬ないよね。
こんな関係で、東京中の人間をジェノサイドしてしまうサバトが開かれるんだよ、釣り合いとてれてねー（笑）。
もっと言えば、晴人がなんであんなけコヨミに固執するのかも、そーゆー話の展開だからそうなだけで、心理的に視聴者が共鳴する積み重ねがないから、本当はよく分かんないだよね。
話の展開の為にキャラを無理に動かすのは止めましょう。
キャラに魂が入って自立したら、放っておいても話は動きます。
これ初歩の定石です。
話を面白くするのは、その上にたっての作家の創意工夫の才能領域です。
って偉そうに書いたけど、これが一年間ウィザードを見続けての感想（笑）。
ウィザードが始まった頃は、逆に（キャラに魂が入って自立したら、放っておいても話は動きま）パターンの甘い汁によりかかった、「勢い脚本」が乱立し始めた仮面ライダーシリーズに、ある程度の歯止めをかけるかと期待したんだけど残念。
それでも理詰めで今までやって来たウィザード、今さら、後戻りなんて出来ないんだから、「理詰め」だからこそ出来る、驚愕→納得展開を最後に期待。
まだソラって、ゆー切り札があるじゃん。ガンガレーッ、ウイザード（笑）。
って事で今回は「脚本展開」についての話になっちゃったけど、このウィザードと対照的なのがＧＡＲＯですね～。
ウィザードに見せるような斬り方したらＧＡＲＯなんて１話だけでケチョンケチョンなんですが、そうならないのが不思議な所。
だってＰＶに、深い人間性の描写だとかテーマ性なんか望まないのと一緒で、ＧＡＲＯって自分たちが創るモノに何が求められているかをプロ意識として熟知した上でのあーゆー作りでしょ。
しかも時々だけど、「俺たちそれだけじゃないよ」って感じで鮮やかな仕上がりなのを突っ込んでくる。
逆にゆーと、時々、高校生の特撮同好会が作ってんじゃないんだから、てくらいのボテボテのゴロになる場合も（笑）。
えっ？今回のエピソードがそれだとは誰も言ってませんよ。
・・例の「横並び歩き」でも、格好良く見えないなんて、アリエナイザーフラッシュシャバドゥビダッチフォルテシモ間がくどい大友康平、、、それに決定的なのは大友康平のタッパが足りないって事でしょ。
こんなのキャスティングした時点での運命だから、現場クルーがなんぼ工夫したってムッリー！！しょ。
ってか大友康平って他のアンクションドラマとかによく出てくるんだけど、あれってなんのつもりで使ってるんだろ？といつも思う、それっぽい雰囲気？。
映画「笑う警官」は、それなりに面白かったけど、大友康平の起用、、これで大分と損してると思うよ。
中川礼二の方がずっと生彩放ってたよ（笑）。
