saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

息子の形見は

 店長が「はるくーん!!」って思わず晴人を庇おうとしたときに、やっとKABA.ちゃんのキャラ生きたー!って涙ぐんでしまいましたよ。
 だってこのままじゃKABA.ちゃん、ただの客寄せパンダなんだもん(実際にはパンダ以前に瞬平と同じで、ほとんど空気だったけど)。
 でもこれがきだ脚本だったらこんな場面さえもなかったんだろうなー。

  普通はドーナツ屋の前でバトルが起こったら、このエピソードみたく、そこの住人が生きた人間としていろんなリアクションを示すんだよな。
 所が、きだ脚本の場合はそれが薄くて、あくまで「ドーナツ屋前」ってゆーのは「場所」に過ぎないんだよな。きだ脚本の場合だと、例え、店長が自分の非力さを忘れて晴人を庇う行動に出たというシーンを書いたとしても、それは店長の性格がそうさせるんじゃなくて、次の展開の為の「繋ぎ」に過ぎないんだよな。
 そこんとこが、きだ脚本の最大の欠点なんじゃないかと、話としては破綻が少なくそれなりに真面目にまとめる力もあるし、テーマを掲げたら、それに向かって物語を真っすぐ「説明」的に組み上げられるんだけど、それだけじゃ見てるほうの心がもたんのよ。
 多分、今回のエピソードだって香村氏が書くのときだ氏が書くのとは同じ話でも全然印象が違ったと思うよ。
 chika的には、きだ脚本が嫌いって事はないんだけど、どうもウィザードの設定では、氏の力があんまり発揮できないんじゃないかな?。
「竜頭蛇尾」って言葉があるけど、ウィザードの場合はそれになるならまだましで、胴体が果てしなく長くて、全体が竜にも蛇にも見えていない。
 視聴者は延々と続く消化試合みたいな胴体を見てる内に、この生き物の頭がなんだったか忘れているんだからね。
 今更、言いたくないけどこの胴体の胆は「俺が最後の希望だ」だったでしょ?そう「希望」と「絶望」の物語、それのど真ん中に立っている仮面のヒーローが、ウィザードであり、晴人なんだけどな~。いつのまにかそれがなくなった。
 毎週劇中で展開されるファントムの絶望アプローチがあまりにも下らなすぎたせいだけど、お子様番組で、こんな重たいテーマで、そこに戦闘シーンをはめこんで解決なんて発想自体が構造的に無理があったんだよ。(そういう意味でも「龍騎」はスゴイ作品だったんだね)
 で、そこに真面目な、きだ脚本をつっこんだらどうなるか?って事でしょう。
 まあ最後は上手くまとめるんだろうけどね。こうなったら、せめて最後に、「ショータイムだ」以外の晴人のもう一つの決め台詞、「俺が最後の希望だ」をききたいな。心が震える感じでね。

 晴人が巻き込まれたサバトに対して、ワイズマンと白い魔法使いが各の時間軸の中でどう絡んでいたのかが最初から明らかにされていないから、晴人と一緒に生き残ったとされているコヨミが、その時点で「笛木」の「(人間の)本当の娘」でなくても話は成立する訳で、こういうやり口だと視聴者の予想を遥かに出し抜く、いわゆる「驚愕の展開」もいくらでも可能なんだろうけど、それも「胴体」あっての話、魚の頭は煮て、尻尾は揚げて食べられるけど、「物語」の値打ちは鮮度の良い胴体、主人公達ががその時空をどう生きたかだから。

f:id:saienji:20130630085553j:plain

 

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!