saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

仮面ライダーウィザード始まる

現在、映画『プロメテウス』の謎解きを、自分の記憶にすりこまれた映像を反芻しながら目一杯楽しんでいるchikaです。
SF映画の楽しみはこれに尽きると思います。
いや、リドリー・スコット監督の狙いや思惑が何処にあるかどうかなんて、謎解きの上では本当の所どーでもいいんです。
一本の映像作品が、ある程度独立した「世界観」を観客に提示できれば、もうそこから先は、新しい世界の物語が観客の中に生まれるんですから。
プロと言われる作り手は、最低限、それに耐えうるだけの強度を持った作品さえ作ればいい。
更に、観客に投げ渡した物語の種が彼らの中で大きく育つように、栄養や環境を種と共に提示できればもっと良い。
初見、『プロメテウス』の場合は、そこに描き出されるエンジニアの姿が人間臭くて、物語の膨らみが小さくなったような気がしました。
しかし暫くすると、ギリシャ神話に登場する神々の余りも人間臭い営みと、それに反比例するような彼らの強大な万能の力のアンバランスこそが、我々により深い思索を促すように、この映画の場合もエンジニアの向こう側にある存在に思いを馳せさせる仕掛けになっており、なかなか一筋縄では収まらないなという感想を持ちました。

ってことで、話は突然変わって、今回新しく始まった「仮面ライダーウィザード」の感想です(笑)。
思わず「お帰りなさい」と声をかけてしまうような出来でした。
「変化球も新機軸も、もう結構、こんなライダーが見たかった。」って感じですね。
この感覚は、過去の平成ライダーで言うと「アギト」の最初の頃でしょうか。
謎だらけの青年が、ふらりと登場して、有無をも言わせず変身、圧倒的な力で怪人を撃破していく。で、この青年の背負ったものが、話の進捗に合わせて少しずつ明らかにされて行く、、というような。
(ただしアギトの場合は、いかにも平成ライダーらしく、後になるほど話はどんどん複雑になっていきましたが。)
今回、ウィザードを見ていて、吃驚したのは「世界観」の説明スピードが恐ろしく早くて、しかもそれが整理されきってるって事ですね。
初回の第一話分で他の平成ライダーなら8話分くらいの「説明」を、、、いや下手をすると、フォーゼみたい主人公に対する説明が「俺はこの学校の生徒全員と友達になる男だ」だけで1年かけて終わっちゃって同居人に変なお爺ちゃんがいるってコトしか判らない作品もあるわけで、それに比べると(笑)。
ですから第一話の初見の感想は、「こんなに台詞でたっぷり(世界観)を説明しちゃったら、次が続かないんじゃ、、」だったんですが、番組後半、アンダーワールドにバトルステージが移った時点で、ああこれって「鰻のひつまぶし」みたいな構造になってるんだ!ってちょっとびっくりしました。
しかもウィザードは今までの平成ライダーとは違って2話完結じゃなくて一話完結とのこと。
2話完結スタイルではありましたが、「仮面ライダー龍騎」の濃密な30間の視聴快感が、また味わえるのかと、かなり期待しています。
ゾルダや王蛇が本格的に動き始めた頃の龍騎の1話30分は、1時間番組に匹敵する濃度があり、その脚本展開の技術に舌をまいた記憶がありますからね。
そうそう、その記憶から言えば「平清盛」なんて恐ろしい程の時間の無駄遣いをしてる気がしますね。
今回のエピソード「白河院の伝言」は、最初数分間、録画ミスで見逃したんですが、それでもなんの損失感もないというか(笑)。
でもここに来て、ようやく松山ケンイチの演技力がやっと引き出されて来たとゆーか、内容的は瀕死の清盛幽体離脱物語ってゆー、飛んでもなく薄く伸ばしたスープみたいな話なのに、松山ケンイチの表情だけでずいぶん魅せてくれました。
まあこんな形で、演技力を引き出される松山ケンイチも可愛そうと言えば可愛そうですが。
それにしてもこの脚本、過去のエピソードで振っておいた伏線を、ずいぶん後になってから、しかもかなり大げさに回収するのが好きなんですね。
ひょっとして「清盛」前半に文句言ってたchikaみたいな視聴者に対して「貴方たちには理解できなかったでしょうけど、あれは実はこーゆー意味があったのよ」って言う趣返しでもしてるのかしらん?
でもこんな大仕掛けの回収を、いくら時間がたっぷりある大河と言えど、一話全てにつぎ込むことどんな意味があるのか、はなはだ疑問ですが。

ウィザードのメインライターである「きだつよし」氏の一話完結の手腕と、大河ドラマ平清盛」のストーリー展開の比較、これもこれからの楽しみの一つですね。

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