saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

泣いていじけちゃう以蔵

今回の龍馬伝の最大ポイントは二点、第二部になって(一週間しかたっとらんけど)パワーアップして戻ってきた福山龍馬と、なんてたって佐藤健君の人斬りデビューでしょう。
残念ながら武田鉄矢先生の勝海舟デビューではありません、念のため(笑)。
まずは福山龍馬のパワーアップなんですが、小汚い服と伸び放題の髪というビジュアル面での小細工の効果もあることはあるんでしょうけど、大阪での弥太郎との掛け合いを見てると台詞の「間合い」が確実に変わっていて、それが人物像の増量感に繋がっているんじゃないかと。
これは現場の演出が凄いのか、はたまたそれだけ福山さんが役作りに精進しているのか、それはどうか判りませんが、映像を見てる限り、今まで自分の揺れ動く心そのままに相手に呼応していた龍馬から、自分の腹の中にある固いモノと相手の気持ちをすりあわせながら反応する龍馬がちゃんと目の前に出現してました。
例によってフルパワーの弥太郎の「なぜ脱藩したんじゃ?」の問いつめに、いつもなら方向性と質は違うものの友愛フルパワーで応じていた龍馬が、幅の広がった度量で弥太郎をいなしている感じが、、見て判るんだから、これは進歩でしょう。
ただその人間的な幅が、脱藩と九州への旅で身に付いちゃったという説明は「あっという間」感があって、ちょっとどうかと思いましたが。(今までの放映回でもうちょっと龍馬の変化を積み上げとけよみたいな。)

 さあ問題は人斬り以蔵です。
「プププの」でもよく取り上げている仮面ライダー関係者が龍馬伝には現在の所、三人はいます。
一人は仮面ライダーディケイドTV版では光栄次郎じいさん、劇場版ではイカデビルを演じた田中泯・・あっこれは嘘です。ついつい願望が入ってしまいました(汗)。
今回、以蔵の人斬りデビューの相手となってしまった井上佐一郎役の金山一彦さんは、仮面ライダーキバの嶋護役です。
今となってはその過去を知らない人も多いかもしれない要潤君は、その昔、仮面ライダーアギトで信じられないぐらいの台詞棒読みをしながら、水も滴るイケメンでG3を勤めていました。
そして佐藤君、こちらはまだ電王の良太郎で通ると思いますが。
 要潤君の成長ぶりを思うと、佐藤君だって役者としてかなり伸びるとは思うんですが問題は彼の演じてるのが「以蔵」だって事ですね。
この役は今まで、若手ホープでも、とりわけギラツキ感のある役者さんに送られるキャラだったと思うんですが、、、さあそれが佐藤君に合ってるのかどうか、、、。これが心配だったんですよね。
でも今回の竜馬伝での以蔵像が、ちょっと今までのものとは違うなって感じが見終わってからしたんで、これならOKかもって感じでした。
Webで流し読みしてると大概、以蔵の殺しのシーンは「リアルで迫力があって良かった」って書いてあるんですが、chikaから見ると「過去の以蔵アクションから見ると、ふつーでしょあんなの、どちらかというと、体重の軽い以蔵が相手の身体の上に辛うじてのっかってドタバタしてるだけって感じが時々して、力負けが画面から伝わってくるのになんで以蔵が肉弾戦で相手の首を絞め落とせるんだよーっ」て感じでしたが。
演出として取っ組み合いの途中で無音にしたのが、良かったのか悪かったのか、評価が別れるところですね。サイレントにして「これはもの凄く壮絶なシーンなんですよ」って視聴者に暗示を与えられたのなら○。音を入れたらバタバタした音しか聞こえないから消しちゃったと思われたんなら×、、。
史実(実際にも刀で斬り殺したのではないとのこと)が、どうだったか知りませんが、従来なら、(役者さんに体格差がある場合を考えても)、殺しが初めての以蔵は闇雲に動き回って致命傷にならない切り傷を相手に与え、相手がそのダメージで弱った所に、捨て身の突きでようやく勝ちを拾うみたいな、感じじゃないかと。
 で、まあこれが従来の以蔵キャラにも一番適合するんですよね、、要するにやくざの舎弟関係で走り回る純すぎる狂犬ちんぴらみたいな。
 でもこれが今回の以蔵像ではちょっとずらしてあるんですね。
先に「なんで僕だけ仲間外れにされるんだ、僕が一番、半平太先生のこと愛してるのに」って実際に泣いていじけちゃう以蔵がいるわけ。
 どちらかというと、そういう部分を以蔵のコアとして持ってきてるんだなぁ・って、これはなんだか「普通の子が犯罪を犯す」みたいな時代の中ではあり得る視点かもって。
でこの視点なら、福山さんで新しい龍馬像を造れるように、佐藤君でもあたらしい以蔵が作れるのかなって。・・まあ先を見ないと判りませんが、なんせこれからも以蔵は人斬りを続けますからね。

 あと佐藤以蔵を語る為には、南朋半平太も語らねばなりませんね。
南朋半平太は色々揺れながらも今まで龍馬を「気の許せる友人」として処遇していたようなんですが、ついに以蔵に対して餌として「気の許せる友人」を使った時点で、その言葉の意味自体から無縁の人間になっちゃたわけですね。
「脱藩をされて窮地に追い込まれたお前の家族を救ってやったのはこの俺だ」と暗に龍馬に言ってみせる半平太の姿を前に置いておいて、以蔵を誑かす様子を次に見せる。この辺りの配置も上手いなぁと。
実際、今回の半平太の表情は、殆ど動かず、言葉だけが要所に配置されてて、逆にその内面を判りやすく表現してるって感じ。
 それで最後の最後に、以蔵にだけ目配せを飛ばして見せて、それに対してうるうるしちゃう以蔵がいて、、。ホント上手いなぁ、、。
現代版なら、本命の愛人が居ながら自分を慕ってる部下のもてないOLを上手く使って、ライバルを蹴落としながら這い上がっていくやり手の男みたいな。
 でもこの二人の関係、別に腐女子でなくても、薔薇の匂いが嗅げるんじゃないかと、ちょっと狙いすぎかも(笑)。

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