妖怪に取り憑かれたはにかみ王子

『はにかみ王子』の名前の由来は、石川君のプレイ中、某アナウンサーが一度だけ興奮した舌先で発した「はにかみ王子がぁ！！」というフレーズにあるそうだ。
勿論、そのアナウンサーには、あの『ハンカチ王子』なる単語がインプットされていて、それが無意識のうちに引き出されたのだろう。
古くはバラエティ時代の古舘伊知郎が、「形容」をマシンガンのように発射しながら、実況を行っていたのを思い出す。
・・今ある状況をなんとかフレッシュな言葉で表現したいという彼のパッションは、報道ステーションでも健在だと思うが。（そーゆーのをうざいと思う人もいるだろうけどchikaはあの「表現にかける懸命さ」が好き。）

所で、『○○王子』系の「時の人」には、ある共通点があるそうだ。
それは「女性に対して失礼な態度を間違っても取らない男性」らしい。
確かに、貴公子ベッカムとかヨン様などが、無理矢理女性に言い寄っていくイメージは描きがたい。
でもからくりとして彼らには「富」のイメージが先にあって、それが安心感を誘導するのだろうと思う。
要するに「金持ち喧嘩せず」で、彼らには女性を何者から奪い取る必要はないのである。（「女の方から股を開く」・・・又、怒られそう。）
で、くだんの『はにかみ王子』なんだけど、石川君に対するフィーバー振りが、chikaにはなんだか凄く気持ち悪い。
この気持ち悪さは、ちょっと説明がつかない部分があって、ハンカチ王子人気の気持ち悪さの５倍ぐらいの落ちつかなさがある。
ゴルフのゴの字も知らないようないい年した叔母さんや叔父さんが「可愛い」「清々しいね」とか言いながら十五才の少年に群がり寄るのは何故なんだろう？
ヨン様は判る、それはあるパターンを提供する売り手がいて、それに対する需要が一方にあって、そんな中ファンがお熱を上げるのは道理でどうぞご勝手にと言う感じ。
ベッカム様だってサッカー選手であってもプロという名が付く限りビジュアル受けは当然だろうと思う。
でもアスファルトから伸びた大根が人気者になる時代だから、そういった仕組みからはみ出す人気者だっているの理解出来なくはない・・理解出来なくはないが「ハンカチ王子」辺りから、なんだかそのはみ出し振りの雲行きが怪しいのだ。
外側にある甘い匂いのする情報のすべてを、飲み込んで、飲み込んで、それでも己の空虚を満たす事がない移り気な欲望の固まりが見え隠れする。
しかもそれが一見「罪のない健全な欲望」のように見えるから質が悪い。
まるで水木しげるのかくダークサイドの妖怪のようだ。そのような妖怪に何人かの人々が取り付かれているように見える。
妖怪の正体の半分は間違いなくマスゴミだが、あと半分は何で構成されているのだろう？
どうぞ世の中の「はにかみ王子」ファンの叔父さん叔母さん方、石川君が良い青年だと愛でる前に、出来の悪い我がムスコ、我が娘のことを直視してあげて下さいな（笑）。