saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

ジダン頭突き、その残像。

saienji2006-07-14

遅ればせながら、と、ゆーよりこのことは書くつもりはなかったんだけど「ジダンの頭突き」の話。
ってか内容より、むしろ、あの腰の入ったジダンの頭突き映像の残像が記憶に残って仕方がないので、そこの所を書いてみたい。
これは、中田ヒデの「ピッチ寝っ転がり映像」にも言えることなんだけど、彼らが残した物語や内容より、彼らの映像が残した心への刻印の強さの方が気がかり。
内容で言えば、いずれも引退のかかった幕切れが、芝居じみた「花道」で飾られるというより、生身の人間のそれなりのリアルを切り取っていて、これがこれからの正統な引退スタイルになるんじゃないかと思ったり(笑)。
「自分にとって最後の試合だと分かっていたし、あと10分だということも分かっていた。でも、それは一瞬の間のできことだった」と語ったジダン。「(頭突きの理由は母と姉の名誉を守るため)私は、何者である前にひとりの男なんだ」とコメント。
日本の古い道徳観ではこういった心情を未成熟と呼んできた筈だけど、さてこれからどうなりますやら。

それにしてもジダンの頭突きシーンって何故、残像として目に焼き付くんだろう。数秒間の出来事でしかもそれが完結しているというコンパクトさに加えて、さながら格闘ゲームの一コマンドを打ち込んだようなショットのように見えるからだからだろうか。
マテラッツィの緩やかだが動的な動きに対して、ジダンが静かにそれをふり返り、溜めた気を爆発させるかのような無反動の頭突きを相手の胸元に一発、、。その後、マテラッツィは見事に後ろに吹き飛ぶ。
これをメディアで何度か繰り返して見せられると、独立した一つの物語として頭の中に残ってしまうのかも知れない。
あるいは、我々にはまだこういった暴力のシーンの背景に含まれる「怒りの物語」を読みとる力が残っているのだろうか。

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