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ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

石原慎太郎の反動振りは確信犯

石原知事『ババァ』発言訴訟のニュースについて一言。

石原慎太郎は己に対する批判など全部判って事を起こしているだけに始末が悪い。要するに世の中の反動的なあらゆる要素を巧く利用するコツ、つまり「付け入る隙」を良く知っているのだ。

こんな『ババァ』発言などという低級卑劣な言動だって「俺が居直ってみせれば影で溜飲を下げる人間が少なからずいるんだ」っていう計算が必ずあるに違いない。

更に言えば石原慎太郎はやろうと思えば女性擁護の立場でだってかなりの理屈をしゃべれる筈だ。右翼左翼などという今では余り実効性のない分類はしたくないが、少なくとも石原慎太郎という人物は、右翼左翼を通過点とする円周上をグルッと回りながら、文学的にぐれてしまった存在であり、さらに政治ゲームの糞壷に落ち込んでしまった人間のように思う。

石原知事の発言について河村裁判長は「不適切な表現が用いられ、女性の多くが不愉快な感情を抱いたと推測される」と発言を批判はしたが「不用意だったが、極めて多数の者を対象とし、個々人の権利や利益への影響は薄くなる」と述べ「憲法の理念と相いれない見解だが、個々人を対象としておらず、精神的苦痛を与える内容とはいえない」と請求を棄却した。

原告側の女性達は「結果は残念だが、(判決は)許されない発言と認めている。」と一定の評価はしているようだが、まあこんな判決なら百回下されたところで石原知事はなんの痛みも感じないだろう。

逆に、一般的な社会通念を突破するスタンスを周囲に見せつけることによって己のマッチョぶりを誇示する人間にとっては、今回の判決など胸に山のように付けている勲章が又一つ増えた程度に考えている筈だ。

先に石原慎太郎の反動振りは確信犯・付け入る隙を知っていると書いたけれど、その付け入る隙とは、「ババァの一言や二言で何を大げさに騒ぎ立てるのか」といった我々の人権意識の薄さにあるに違いない。

「細かで表面的なことを偽善者面して論う前に、もっと本質的な事があるだろうが」というのが石原慎太郎らのいつもの口封じ論法なんだけど、ババァ発言なんて、見事に本質的な人権上の問題で、それ以上の「奥」なんてない。

それを、さもあるように喋る所が文学者崩れの政治ゲーマー石原慎太郎の小ずるさだ。

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