弟が泊まりに来ていた。

　弟が泊まりに来ていた。chika用の備蓄食糧を冷蔵庫から出して食べ散らかしている。いい年をして子供じみたヤツだ。いつぞやはchikaの化粧品を使って女装したあげくそのままベッドで眠り込んでいた事もあるから、それと比べるとまだましになっているのかも知れないけれど。そんなこんなで只でさえ寝不足なのに不眠不休状態、、。
　コーンフレークを大皿に出して牛乳をかけて朝食代わり、、モービーを聞く。
何故かこんな時は、昔見たテレビ放映の「潔癖性の男」を扱った短編を思い出す。不潔大嫌いの大富豪は自分の財力を使って、最もクリーンな環境を作り出しその中で生活を送っていた。彼の大敵は、どんな住居にも侵入してくるゴキブリ。ある日彼はそのゴキブリの１匹を完全防備な筈の自分の部屋で見つけ出す。「儂の家を完璧にしろ、お前等のサービスがたらんのだ！」己の権力を行使して有りとあらゆる人間に電話をかけまくるのだが、、。
　この落ちは簡単に想像できるのだけれど、ネックになっているのは、外部からの侵入を完全に遮断するという事は、一端入り込まれると、今度は当の本人がその場所から簡単に逃げ出せなくなるという逆説ね。
「執着」とはそう言うものかも。