saienji's blog プププのプゥだぜぃ

ニューハーフな心で世界をおしおきよ!!

籔内佐斗司

saienji2004-07-19

 雨の中、加賀の「うるし蔵」に向かった。朝風呂に入って朝食をいただいたらチェックアウトの時間まで、もうゆっくり出来ない質は昔からだ。泊まりのお仕事の時は、このせいで嫌がられる時もあるけれど、こればかりはコントロール出来ないみたい。
 芦原から加賀の「うるし蔵」までは北潟湖を北上して小一時間で行ける。「うるし倉」のメインは彫刻家・籔内佐斗司のちょっとシュールで人間味溢れたオブジェと「蔵」である。
 飲食、物販店舗と漆工芸品及びギャラリーを備えた観光文化施設というユニークな形態は、一重に籔内佐斗司作品の質に成り立っているのではないかと思う。(他の造形作家の展示で「うるし蔵」が成立するとは到底思えない。例えば岡本太郎のオブジェの側でコーヒーなんか飲みたくない)
 某ジャーナリストが「何故、舟越桂を現代美術として籔内佐斗司をそう認めないのか!」と憤慨したらしいが、これは何となく判る。籔内佐斗司は現代美術と評価するには余りにも判りやす過ぎるのだ。
 以前、取り上げた村上隆氏がオタク文化をモチーフにしながら現代美術になりおおせたのは、それが例え戦略であったとしても、ある種の「表現としての高級感」を持っていたからだと思う。それとは正反対のベクトルが籔内佐斗司にはある。

 しかし実物を見てもらえれば判ると思うけれど、特に氏の木彫作品などに用いられている表現技術は並ではない。それでも作られた作品が、「身近に感じられるすごさ」が氏の作品の値打ちなのだろう。

 今度の旅は、本当に休養だけが目的だったけれど、籔内佐斗司の判りやすい生き方に出会えて良かったと思う。自宅に戻る寸前に長浜の黒壁スクエアに立ち寄って、土曜日に訪れた越前大野との落差にも驚いたのだが、その話はまたいずれ、、。

PS 今回の旅で軽く撮ってきたスナップを、最近停滞気味の画像日記chikaoバナナにアップする積もりです。宜しければ覗いてやって下さい。
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