猿田彦の醜い鼻を吸う、。。
少女漫画も少年漫画も青年・成人コミックの類も駄目な人である。時々、この人って凄く才能ある〜って惚れ込む時もあるけれど、基本的に堪え性がないから連載の形になるものは苦手なのだ。「板橋しゅうほう」とか近緒のSF系ストーリーに影響を与えた人だっているから漫画自体が嫌いじゃないんだけどね。
でも最近じゃ漫画が文庫本化されてるから「まとめ読み」が出来るのが嬉しい。
そんなこんなで待合室に置かれてあった「火の鳥」を手にした。近緒のこっち系の仕事仲間で「火の鳥」を全巻揃えるような娘はいないから、男性陣の趣味なんだろう。
手塚治虫氏の作品の中には、氏の曖昧なジェンダー描写が醸し出す極めてエロチックな要素がある事を何人もの人々が指摘してる。
「アトム」や「リボンの騎士」という子ども向きのメジャーな作品でもそうだし、勿論「MW」などに至ってはその傾向は極めつけだ。
氏のライフワークであった「火の鳥」にもその傾向が見られる。黎明編では、蜂に刺されて醜く膨れ上がった猿田彦の鼻をナギ少年が、船の中でずっと嘗めてやる描写があって凄くドキドキさせられる。
「このまま、ずっとこうしていてあげるよ。」と言いながら、小柄で女性的な美少年であるナギ少年が巨漢の猿田彦に覆い被さって眠るのだからたまらない、、。
己の醜さ故に、女性と縁のなかった猿田彦と男性故にその猿田彦を拒否しなかったナギ少年。しかしこのナギ少年は性的に見てまだ未分化であり、その外見からはむしろ男装の少女を連想させられる存在だ。
さらに猿田彦の巨大な鼻はどう見ても男性器の隠喩である。
・・まあこれぐらいの分析など誰でも出来る。実際に読者が感じるのは、おそらくそちらのチャンネルなのだろうから。改めて思うのは手塚治氏がそう言ったシーンをこれほどにメジャーな作品群の中に、すんなりとはめ込んで来たという事実である。
・・そういえばウォルト・ディズニーがホモだったというゴシップが昔あったのも有名だけど、、。手塚治虫氏は宝塚歌劇ファンだったそうだ。